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NBA

トレード要求から1か月以上。進展しないリラードの移籍話に球団OBは「マイアミに十分なアセットがあるとは思えない」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.08.08

7月にブレイザーズにトレードを要求したリラード。本人はヒートへの移籍を希望しているが交渉は進まず、膠着状態が続いている。(C)Getty Images

7月にブレイザーズにトレードを要求したリラード。本人はヒートへの移籍を希望しているが交渉は進まず、膠着状態が続いている。(C)Getty Images

 8月6日、ポートランド・トレイルブレイザーズのレジェンド、テリー・ポーターが『SiriusXM NBA Radio』へ出演し、チームにトレードを要求しているデイミアン・リラードについて語った。

 NBAキャリア17シーズンのうち、最初の10シーズンをブレイザーズでプレーしたポーターは、シュート力に秀でたポイントガード。1990、92年にはクライド・ドレクスラーやバック・ウィリアムズ、ジェローム・カーシーらとともにチームをファイナルに導き、通算5319アシストで球団最多記録を保持しているほか、1182スティールで2位、1万1330得点と出場758試合は4位と、長らく活躍した。

 昨季で在籍11年目を終えたリラードは、7月上旬にチームへトレードを要求したものの、1か月以上が経過した現在も移籍先は決まっていない。その現状について、ブレイザーズOBはこう話していた。

「ファンはデイムが(チャンピオンシップを勝ち獲る)正当なチャンスを手に入れることができるどこかへ行くのを見たがっている。

 私が思うに、デイミアンは最終的にトレードされて(ブレイザーとしてのキャリアを)終えることになるだろう。(ただし)マイアミが彼の移籍先になるかはわからない。マイアミには十分な見返りとなるアセットがあるとは思えないんだ」
 
 リラードは依然としてリーグ最高級のスコアリングガードで、“デイム・タイム”という異名があるように、勝負強さにも定評がある。だが莫大な契約を残しており、ディフェンスも決して得意ではないため、獲得するチームはリスクがあることを覚悟しなければならない。

 本人が希望する移籍先は昨季NBAファイナルまで勝ち進んだマイアミ・ヒートだが、具体的なトレード成立に向けた話し合いの進展はほとんどないというのが現状だ。

 先日、アメリカのスポーツ専門メディア『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者が『Bally Sports』の番組“The Rally”へ出演した際、ヒートがリラード獲得のためにブレイザーズへ提示する可能性のあるアセットとして挙げたのは、ドラフト1巡目指名権3~4本、(複数の)ドラフト指名交換権、(複数の)ドラフト2巡目指名権、(複数の)若手選手、そしてタイラー・ヒーローが3チーム目へ移籍するというもので、2チーム間のトレードで決着がつくとは見ていなかった。

 プロ入りからポートランドにすべてを捧げてきたリラードだが、プレーオフでの最高成績はカンファレンス決勝進出(1回)と優勝とは縁のないキャリアを送っている。33歳のクラッチシューターは、今季どのチームのユニフォームに袖を通すことになるのだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

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