FIBAワールドカップ2023の開幕が、いよいよ今週金曜に迫り、出場国は続々と12人の最終ロスターを発表している。

　予備メンバーには数々のNBAのスター選手たちが名を連ねていたが、トレーニングキャンプ中のテストマッチで負傷、コンディション不良や調整不足、来季へ向けての準備を優先、心身両面での休息等々、様々な理由でビッグネーム数人が今大会を欠場することになった。

　以下はその中でも特に各代表の屋台骨だった選手たちだ。

■ヤニス・アテトクンボ（ギリシャ／ミルウォーキー・バックス）
「可能な限りギリシャ代表での活動に参戦する」という意思を日頃から表明しているアテトクンボは、NBAのオフシーズンに行われた昨夏の欧州予選でも2試合に参戦し、平均33点を叩き出した。

　しかし、８月11日に『これは選択肢ではなく、僕がこれまでのキャリアで懸命に努力してきたバスケットボールのレベルに再び戻るための唯一のオプションだった』とSNSにメッセージを投稿し、今大会の欠場を発表。メディカルスタッフと何度も話し合いを重ねた末の苦渋の決断だったと明かした。

　アテトクンボ兄弟では、兄のタナシス(ミルウォーキー・バックス)だけがギリシャの最終ロスター12人に残っている。
  ■ニコラ・ヨキッチ（セルビア／デンバー・ナゲッツ）
　昨プレーオフでは全20試合に出場し、平均30点、13.5リバウンド、9.5アシストと驚異的な活躍でナゲッツに初タイトルをもたらしたヨキッチ。文句なしのファイナルMVPに輝いた彼は、心身の疲労を理由に今大会への出場を辞退した。

　大黒柱不在のセルビアを牽引するのは、ボグダン・ボグダノビッチ（アトランタ・ホークス）、アレクセイ・ポクシェフスキー（オクラホマシティ・サンダー）、ニコラ・ヨビッチ（マイアミ・ヒート）、フィリップ・ペトルシェフ（フィラデルフィア・セブンティシクサーズ）といったNBA選手となる。

■ジャマール・マレー（カナダ／ナゲッツ）
　ナゲッツでヨキッチの相棒を務め、司令塔として初優勝に貢献したマレーも残念ながら欠場となった。今回のW杯と来年のオリンピックの2大会を戦うチームを構築しているカナダ代表にとって、マレーは基軸となる選手であり、本人も参戦の意思を表明していた。

　トレーニングキャンプには不参加ながらも、最終的な答えは先延ばしにしていたが、8月16日、マレーはカナダ・バスケットボール協会のサイトに「メディカルスタッフと相談した結果、さらに休養が必要なことが明らかになり、大会に参加しないという難しい決断を下した」と発表。

　しかしこうも付け加えている。

「カナダ代表としてオリンピックに出場することは僕の夢であり、この目標を追い求めるチームをサポートしていく」

　アメリカ大陸からは今大会の上位2チームが自動的に来年のパリ五輪への出場権を獲得する。 そのポジション狙って戦う戦友たちに、マレーは声援を送ることだろう。

　カナダ代表は、2022－23シーズンにオールNBAチームに選ばれたシェイ・ギルジャス・アレキサンダー（オクラホマシティ・サンダー）と、R.J.バレット（ニューヨーク・ニックス）を中心に上位進出を目指す。