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NBA

「俺らはもっと強くなる」エース依存症を克服し、新たなスタイルを確立したネッツの次なるチャレンジ

ダンクシュート編集部

2019.12.13

アービングの代わりにエースを務めるディンウィディーを中心に、チームは粘り強い戦いでプレーオフ圏内に踏みとどまっている。(C)Getty Images

アービングの代わりにエースを務めるディンウィディーを中心に、チームは粘り強い戦いでプレーオフ圏内に踏みとどまっている。(C)Getty Images

 スペンサー・ディンウィディー、ジョー・ハリス、ギャレット・テンプル、トーリアン・プリンス、ジャレット・アレン――。ブルックリン・ネッツの最新スターターにオールスター選手は1人もおらず、決して華やかな顔ぶれではない。それでも、新エースのカイリー・アービングの離脱が長期化するなかで13勝11敗(現地12月12日時点)、プレーオフ圏内の7位は十分及第点を与えられるだろう。

 ネッツは今年のオフに、アービング(4年総額1億4200万ドル/約155億円)、ケビン・デュラント(4年総額1億6400万ドル/約179億円)、ディアンドレ・ジョーダン(4年総額4000万ドル/約43億7000万円)と大物FAを獲得する大型補強に打って出た。しかし、昨季のNBAファイナルで右アキレス腱を断裂したデュラントはシーズン全休が濃厚。開幕当初はアービングが1試合50得点をあげても試合に敗れるなど“エース依存症”が顕著に出て、4勝7敗とスタートダッシュに失敗した。

 しかし、アービングが右肩の故障で11月16日のシカゴ・ブルズ戦から欠場すると風向きが変わった。それまでのシックスマンから先発に昇格したディンウィディーを中心に、チーム全体が奮起。粘り強い戦いで4連勝を含む9勝4敗と巻き返し、貯金生活を続けている。
 
 アービング離脱後の変化で目を引くのは、守備と連携面のスタッツの向上だ。

平均失点:119.5(27位)→107.0(11位)
ディフェンシブ・レーティング:111.0(25位)→108.6(15位)
被FG成功率:45.8%(15位)→43.4%(4位)
平均アシスト:23.1(20位)→24.8(11位)
アシスト率:54.5%(25位)→62.7%(8位)
平均攻撃回数:105.68(5位)→98.58(18位タイ)

 先発した試合で平均23.8点、3.6リバウンド、7.5アシストとエース級の活躍を見せるディンウィディーをファーストオプションとしつつも、コート上の全員がゲームに関与しながらテンポをコントロール。平均リバウンドでリーグ9位タイ(10.5本)につける3年目のアレン、オールディフェンシブチームに選ばれた経験のあるジョーダンらを中心としたチームディフェンスで勝利を手繰り寄せるスタイルに移行した様子が窺える。

 アービング不在の戦い方が確立されてきたネッツだが、再びアジャストを強いられることになるだろう。アービングはまだスクリメージを行なっていない段階とはいえ、復帰すればディンウィディーに代わって先発起用が濃厚。平均16.8点、5.0リバウンド、4.0アシストをあげながら右親指の靱帯損傷で手術を受けたキャリス・ルバートも、コンタクトなしの練習を始めた。さらには、ドーピング違反で25試合の出場停止処分を受けていたウィルソン・チャンドラーが12月15日のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦から出場可能になる。
 

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