ドミニク・ウィルキンスとマイケル・ジョーダンは、オールスターのスラムダンク・コンテストをはじめ、1980年代にライバルとして火花を散らした。ジョーダンの方がウィルキンスよりも3歳年下だが、ジョーダンがNBA2年目だった頃の試合前のエピソードをウィルキンスが明かしている。
ウィルキンスとジョーダンは、1985年と88年のダンクコンテスト決勝で激突(85年はウィルキンスに軍配、88年はジョーダンがリベンジして大会2連覇を達成)。チームシーンでは、ホークスとブルズの絶対的エースとして、しのぎを削り合った。
ジョーダンの方がNBA入りは2年後だったが、ジョーダンの2年目のシーズン終盤にあたる87年4月16日、シカゴでの一戦で印象深い出来事があったと、ウィルキンスは『VLAD TV』のインタビューで振り返った。試合前、突如としてジョーダンがホークスのロッカールームを訪問してきたという。
「シカゴでの試合、マイケルはスーツにネクタイをしてロッカールームに入って来て、コイツはなんのためにロッカーに来たんだと思ったよ。私はトレーニングルームに行こうと思っていたら、私の横を通り過ぎ、(チームメイトの)ケビン・ウィリスの横を通り過ぎ、ランディ(ウィットマン)のところに行って彼の足を軽く叩き、『靴紐を締めろ。長い夜になるぞ』と言ってきた。ビックリしたよ」
挑発的な言葉を受けて「何を言えばいいのか分からなかった」というウィルキンス。その試合、ジョーダンは1人で61得点(フィールドゴール22/38、フリースロー17/21)、10リバウンドを記録。勝敗こそ117-114でウィルキンス(34得点)擁するホークスに軍配が上がったが、「その晩、マイケルは60点以上をあげた。結局私たちはシカゴに勝ったけど、凄まじい試合だった」と、振り返っている。
85-86シーズンに平均30.3点をあげて得点王に輝いたウィルキンスは、この87-88シーズンに自己最多の平均30.7点を奪ったが、ジョーダンはそれを上回る平均35.0点をマークし、2度目の得点王は逃してしまう。「彼は平気で34点、35点と叩き出すから争うことはできなかったよ」と苦笑いした。
ジョーダンの負けず嫌いは有名な話だが、殿堂入り選手のウィルキンスも、ジョーダンがバスケットボール界の頂点に立ち続けた理由はそこにあると語る。
「私たちは今は友人だし、コートを離れれば普通だったけど、コート上ではお互いのことはよく知らないし、称え合うこともなかった。
彼はあらゆることで勝負を仕掛ける。なんであろうと、それがゴルフコースでもだ。コップの水を誰が早く一番飲めるかなんて関係ない。でも彼はそれに賭ける。天性の負けず嫌いなんだ。負けを認めない姿勢が彼を偉大な存在にしている。バスケットボールにおいて、あの域にいるのはごくわずかだ」
ジョーダンにとっては、勝負こそ、そして勝利こそが人生だったと言えるかもしれない。
構成●ダンクシュート編集部
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「シカゴでの試合、マイケルはスーツにネクタイをしてロッカールームに入って来て、コイツはなんのためにロッカーに来たんだと思ったよ。私はトレーニングルームに行こうと思っていたら、私の横を通り過ぎ、(チームメイトの)ケビン・ウィリスの横を通り過ぎ、ランディ(ウィットマン)のところに行って彼の足を軽く叩き、『靴紐を締めろ。長い夜になるぞ』と言ってきた。ビックリしたよ」
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「私たちは今は友人だし、コートを離れれば普通だったけど、コート上ではお互いのことはよく知らないし、称え合うこともなかった。
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