今夏にトレードでゴールデンステイト・ウォリアーズへ移籍したクリス・ポール。38歳の司令塔は、昨季までフェニックス・サンズでデビン・ブッカーやケビン・デュラントと共闘したが、今度は2022年の王者ウォリアーズでステフィン・カリーと一緒にプレーすることになった。

　カリーとポールは、どちらも引退後のバスケットボール殿堂入りが確実視されるレジェンドだ。ただ、３ポイントでゲームのトレンドを一変させたカリーに対し、ポールは従来の司令塔としてキャリアを送ってきた。

　カリーは10月２日（日本時間３日）に行なわれたメディアデーで今季からタッグを組むポールについて次のように語っていた。

「CP（ポール）のようなスキルセットを持ち、キャリア全体で（所属する）チームを引き上げてきた男とプレーすることはこれまで一度もなかった。けどこのチームの魅力は、僕とクレイ（トンプソン）がオフボールでもプレーできることにある。彼（ポール）にどんな能力があるかはみんなが分かっている。このチームに新たな魅力を与えてくれるさ」
  　2015年から22年にかけて４度のリーグ制覇を成し遂げてきたウォリアーズは、オールラウンダーのドレイモンド・グリーンがプレーメークをこなし、カリーやトンプソンの類い稀なシュート力を生かしており、相手チームが彼らを警戒するとアンドリュー・ウィギンズやケボン・ルーニー、ゲイリー・ペイトン二世らがイージーショットを決めてきた。

　だが今季はこれまでのメンバーに名パサーのポールが加わることとなる。グリーンはそんな大ベテランをこう評していた。

「今シーズンはクリス・ポールという男からその経験を学ぶことができる。ポイントガードというポジションを極めた男からね。彼はこのリーグで最も優れたプレーメーカーの１人だ」

「俺は彼から学ぶ機会を手にしたからとても楽しみにしている。クリスのキャリアを見れば、若い連中を見事に引っ張ってきたことがわかる。その部分で、俺はさらにうまくなれる気がしているんだ。彼のような男から学べることは、すごく貴重だと思うね」

　ポールを加えたウォリアーズだが、ロサンゼルス・レイカーズやフェニックス・サンズといったライバル球団もオフの補強で戦力アップに成功している。それでも彼らが互いを助け合って勝利のために突き進めば、このチームはさらに手強い存在となるに違いない。

文●秋山裕之（フリーライター）

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