NBA

「彼らはチーム全体で良く動いている」ヨキッチが好調のロケッツとシェングンを称賛「本当にいいプレーだった」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.11.15

ヨキッチは直接対決でロケッツとシェングン(左)の成長を実感したようだ。(C)Getty Images

 10月24日(日本時間25日、日付は以下同)に開幕したNBAの2023-24シーズンは、ここまで各チームが10試合前後を消化。ウエスタン・カンファレンスでは、オフに大型補強を敢行したフェニックス・サンズ(4勝6敗)や、2021年の覇者ゴールデンステイト・ウォリアーズ(6勝5敗)と苦しむ一方で、序盤戦のサプライズチームとなっているのがヒューストン・ロケッツだ。

 チームは開幕から3連敗を喫したが、以降は負けなしの6連勝。その中にはウォリアーズや前年王者のデンバー・ナゲッツ相手の勝利もあり、6勝3敗(勝率66.7%)でカンファレンス4位につけている。

 そんな好調のチームで安定した数字を残しているのがアルペレン・シェングンだ。21歳のトルコ人センターは、全試合で先発を任され、平均19.4点、8.2リバウンド、6.0アシストとオールラウンドな数字を残している。

 とりわけ11月12日のナゲッツ戦では23得点、8リバウンド、5アシスト、2ブロックとマルチな働きで勝利に貢献。マッチアップしたニコラ・ヨキッチに36得点、21リバウンド、11アシストのトリプルダブルを許したものの、自身もミッドレンジジャンパーやランニングフック、ヨキッチ顔負けのワンレッグジャンパーに加えてコンタクトを受けながらもショットを決め切り、守備ではブロックを浴びせるなど見事な活躍を披露した。
 
 トルコ出身のシェングンにとって、セルビア出身のヨキッチはアイドルであり、目標としている選手の1人。ヨキッチは昨年11月の対戦後に「彼(シェングン)には本当に才能があると思う。あのチームはもう少し彼を通してプレーする必要があると思う。彼らは(オフェンスが)停滞していることがある。その点、この男には才能がある。パスが捌け、ポストアップもできて、リム周りでもいいタッチが備わっている」と話していた。
 
 あれから約1年、新コーチと新戦力を加えて生まれ変わったロケッツとシェングンとの今季初対戦後、昨季のファイナルMVPは次のように語っていた。

「あのチームが(これまでよりも)もっと彼を通してプレーしているのはいいことだと思う。それがあの組織全体に恩恵をもたらすことになる。彼はセルフィッシュな男ではなく、チームのためにプレーすることを望んでいて、パスをしたがっている。彼の手にボールがあると、彼らはチーム全体でよく動いている。今日の彼は本当にいいプレーをしていた」

 今季ヨキッチ擁するナゲッツはリーグ連覇を狙い、シェングンの所属するロケッツはプレーオフ進出を目指している。今季は11月24日、29日とあと2回対戦が組まれているが、ロケッツがこのまま好調を維持できれば、今年のポストシーズン1回戦で2人のマッチアップが見られるかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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