昨季のサクラメント・キングスは、ウエスタン・カンファレンス３位の48勝34敗（勝率58.5％）をマークし、2005－06シーズン以来17年ぶりとなるプレーオフへと駒を進めた。その立役者となったのが、PG（ポイントガード）のディアロン・フォックスだ。

　ボールを持った時の速さで対戦相手を圧倒するスピードスターは、ドライブから積極果敢にリムへアタックしつつ、しなやかな身のこなしからストップジャンパーや巧みなフローターも織り交ぜて得点を量産。平均25.0点、4.2リバウンド、6.1アシスト、1.1スティールにフィールドゴール成功率51.2％を記録し、オールスターとオールNBA３rdチームに初選出されるとともに、初代最優秀クラッチプレーヤー賞にも輝いた。

　初の大舞台となったプレーオフでは、１回戦で王者ゴールデンステイト・ウォリアーズに３勝４敗で敗退したものの、25歳の超速PGはシリーズ平均27.4点、5.4リバウンド、7.7アシストと大暴れ。

　今季は序盤に足首捻挫のため５試合を欠場も、ここまで10試合の出場で平均29.9点、4.3リバウンド、6.0アシスト、1.6スティールをあげてキングスを牽引。チームもここまで９勝６敗（勝率60.0％）でウエスト６位と、プレーオフ出場圏内にいる。
  　そのフォックスは、昨季から今季にかけて３ポイント試投数が大幅に上昇している。昨季は１試合当たり平均5.0本を放ち、1.6本（成功率32.4％）を沈めていたが、今季は平均試投数が8.6本、同成功数が3.2本で、成功率も37.2％と上々の数字を残している。

　現地時間11月22日（日本時間23日、日付は以下同）に地元メディア『Sactown Sports 1140』の番組へ出演したキングスのルーク・ルックスAC（アシスタントコーチ）は、今オフにフォックスと毎日過ごし、３ポイント向上の助けとなる出来事があったことを話していた。

　なかでも最も強烈だったのは、ウォリアーズのステフィン・カリーとワークアウトに励んだことだったという。

「初めて彼（カリー）とのワークアウトをした時、彼（フォックス）は興奮していて準備万全だった。で、ワークアウトが終わった頃には、両前腕が痙攣を起こしていたんだ。そのワークアウト後、フォックスは私のことを見てきて、私は『そうだ。スペシャルなことじゃない。これは毎日やっていることだ。彼（カリー）はそういう男なんだ』と言ったよ」