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NBA

キングスの司令塔フォックスは『プレイステーション』でバスケを学んだ?“ゲーマー”ならではの能力を恩師が証言<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.04.24

今季大躍進を見せたキングスを牽引するフォックス。NBA界きってのゲーマーとしても知られる。(C)Getty Images

今季大躍進を見せたキングスを牽引するフォックス。NBA界きってのゲーマーとしても知られる。(C)Getty Images

 NBAの今季の最優秀クラッチ選手賞に、サクラメント・キングスの司令塔、ディアロン・フォックスが選ばれた。

 この賞は“クラッチタイム”(勝敗がかかった試合終盤の勝負どころ)で活躍した選手に贈られる栄誉で、今季から新設された。

 100人の投票者のうちなんと91人がフォックスに1位票を投じ、合計460ポイントを獲得。2位のジミー・バトラー(マイアミ・ヒート)の104ポイントに大差をつけての圧勝だった。

 クラッチシチュエーションでのフォックスの平均5.0点、トータル194得点はともにリーグ最多。最終クォーターの平均7.8点はリーグ6位と、数字も彼の終盤での勝負強さを物語っている。

 なにより、123-123の同点からブザーと同時に超ロングシュートを沈めた11月のオーランド・マジック戦や、同じく同点から3ポイントシュートで勝利をさらった3月のシカゴ・ブルズ戦といったドラマチックな活躍が、「クラッチプレーヤー」たる印象をより強めたと言えるだろう。
 
 2017年のドラフトでキングスから全体5位指名を受けてNBA入りしたフォックスは今シーズン、6年目にして初めて、念願のプレーオフに出場している。王者ゴールデンステイト・ウォリアーズとの対戦では、初戦で38得点と、ルカ・ドンチッチの42得点(2020年)に次ぐ、プレーオフデビュー戦での高得点をマーク。今年はオールスターにも初出場と、上昇気流のキングスとともに飛躍している。

 高校時代は学校の体育館で朝6時からの個人練習を日課にし、ケンタッキー大学時代は相手チームが常に彼を標的に向かってくることから『ザ・ジェネラル』(大将)という異名をとっていたというフォックス。しかし彼がバスケットボールを学んだのは、コート上よりもむしろビデオゲームだったと語るのは、彼の父親だ。

「コート上で教えなくても、何かを見せれば学べるような子だった。あまり信じてはもらえないのだが、私は常々、プレイステーションのおかげで今の彼がある、と言っている。プレイステーションで、彼はピック&ロールも、ボールスクリーンからのロールアウトの仕方も覚えた。だからバスケットボールを学びたいのなら、『NBA 2K』のプロモードにしてプレイするといいよ、と私は子どもたちに言っているのさ」

 父アーロンは、フォックスがまだケンタッキー大のカレッジプレーヤーだった時代に、スポーツメディア『Bleacher Report』にそう話している。
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