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エンビード離脱でシクサーズに試練の時。オールスター初選出のマキシーは「これまで以上に競争心を持って戦わなければ」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.02.07

大黒柱のエンビード(左)が最低4週間の離脱。マキシー(右)を筆頭にチーム一丸で乗り切れるか。(C)Getty Images

 フィラデルフィア・セブンティシクサーズがピンチに陥っている。今季序盤、チームは開幕2戦目から8連勝を飾るなどリーグ上位に君臨していたものの、1月25日以降の7試合で1勝6敗と急落。2月6日時点で今季成績はイースタン・カンファレンス5位の30勝19敗(勝率61.2%)となっている。

 不振の理由は主砲ジョエル・エンビードの離脱にほかならない。大黒柱は1月30日の試合で左ヒザを負傷。外側半月板の手術に踏み切り、4週間後に再検査をすることが発表された。

 213cm・127kgのビッグマンは、今季34試合の出場で平均35.3点、11.3リバウンド、5.7アシスト、1.15スティール、1.76ブロックという超人的なスタッツを残し、出場ゲームでチームは26勝8敗(勝率76.5%)と大きく勝ち越していた。

 現状、シクサーズはプレーオフ自動出場ラインの6位インディアナ・ペイサーズ(29勝23敗/勝率55.8%)に2.5ゲーム差をつけているとはいえ、エンビード不在の15試合で4勝11敗(勝率26.7%)と苦戦していることを考慮すると、厳しい状況に立たされたと言わざるを得ない。
 
 今季はオフェンシブ・レーティングがリーグ6位の119.0、ディフェンシブ・レーティングも同9位の113.5と、攻守両面でバランスの良さを発揮していたが、ここ7戦で見るとオフェンスが114.2で21位、ディフェンスは125.8で29位と明らかに悪化している。

 エンビード不在の期間、シクサーズは4年目のポール・リードを先発センターに起用しており、今後も彼とマーカス・モリスSr.らで穴埋めしていくことが予想される。現地8日のトレード・デッドラインまでに豊富なフォワード陣を駆使して即戦力のビッグマン獲得に動く可能性もあるが、よほどの大物が手に入らない限り、既存戦力で切り抜けていくこととなるだろう。

 そこでチームを引っ張ることが期待されているのが、第2の得点源タイリース・マキシーだ。

 キャリア4年目の今季、オールスターに初選出された188cm・91kgのスコアリングガードは、ここまで平均25.9点、3.5リバウンド、6.4アシスト、1.02スティールと自己最高のシーズンを送っており、2度の50得点超えも達成。抜群のスピードとボディバランスからフィニッシュへ持ち込むだけでなく、司令塔としても期待される23歳のパフォーマンスが、エンビード不在のシクサーズの命運を左右するといっても過言ではない。
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「自分たちの競争心、それが大切」