ワシントン・ウィザーズのアイザイア・トーマスは、12月21日（日本時間22日）のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦で意図的にスタンドに入って退場処分となっていたが、ＮＢＡは２試合の出場停止処分を科すことを発表した。

　事件が起こったのは、第４クォーター残り２分53秒だった。102－119とリードを奪われてウィザーズがタイムアウトを取ると、トーマスは自陣ベンチに戻らずゴール裏中段に陣取るベン・シモンズとアレン・アイバーソンのジャージーを来た２人組の男性ファンに歩み寄っていき、言い合いとなる一幕があった。セキュリティが仲裁に入るも、トーマスはそれを振り払って主張を続行。最終的にベンチに戻ったが、オフィシャルレビューの結果、退場処分となっていた。

　トーマスは試合後、スタンドに入る直前のフリースローで、ファンが両手の中指を立てながら、「F*** you、bitch！」と罵声を浴びせてきたことを告白。「俺は『敬意を欠くことをするな。何より、俺も人間だ。ファンでいてくれ』と言った。彼の答えは『申し訳ないが、私はFrosty（編集部注：米ファーストフード、ウェンディーズのデザート。シクサーズのホームゲームでは、後半に相手チームの選手が2本連続でフリースローをミスした場合、来場したファン全員にウェンディーズのデザートが無料になるキャンペーンがある）が欲しいだけだ』だった」と説明していた。
  　そしてＮＢＡは22日、観客席に入ったトーマスに２試合の出場停止処分を科すことを発表した。リーグのルールでは、試合中に故意に観客席に入った選手は自動的に退場となり、罰金もしくは出場停止の対象となる。選手とファンの口論や敵対関係への発展を防ぐことを目的としているため、今回のように衝突がエスカレートしなかった場合も適用される。

　また同時に、ＮＢＡではファンにも行動規範の順守が義務付けられている。事件に関与した当該ファン２人はウェルズ・ファーゴ・センターのイベントに１年間出禁、チケットホルダーの席も無効となった。セキュリティの証言によれば、シクサーズファンの２人は「明らかに酔っていた」という。

　今季平均13.6点、4.8アシストを記録しているトーマスは、23日のニューヨーク・ニックス戦、26日のデトロイト・ピストンズ戦のアウェー２試合が出場停止の対象となる。

構成●ダンクシュート編集部

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