ラッセル・ウエストブルックとポール・ジョージが退団し、今季のオクラホマシティ・サンダーは本格的な再建期に突入した。低迷必至と予測されたなか、新加入のベテラン司令塔、クリス・ポールに導かれる形で覚醒したのが2年目のコンボガード、シャイ・ギルジャス・アレキサンダーだ。
2018年のドラフト1巡目11位でシャーロット・ホーネッツに指名され、ロサンゼルス・クリッパーズへトレードされたギルジャス・アレキサンダーは昨季、ルーキーながら先発の座を掴み、全82試合に出場。プレーオフにも出場して貴重な経験を積んだ。
2019年のオフにジョージの大型トレードに巻き込まれる形でサンダー入り。これが覚醒のきっかけとなった。開幕戦でいきなり26得点をあげ、その後もコンスタントに20点オーバーを記録。12月に入るとさらにギアを上げ、12月22日の古巣クリッパーズ戦では自己ベストに並ぶ32得点を叩き出し勝利に貢献した。さらに、12月29日の故郷カナダでのトロント・ラプターズ戦では、試合終盤に決勝シュートをねじ込むとともに、リック・フォックスが保持していたトロントでのゲームにおけるカナダ出身選手の最多得点を更新(32得点)して歴史に名を刻むなど、平均20点に迫る勢いを見せている。
サンダーにとっては“嬉しい誤算”だが、ギルジャス・アレキサンダーは、「僕は一生懸命練習している。だから自分に自信を持っている」と飛躍の必然性を主張する。実際、2019年夏に中国で開催されたワールドカップにカナダ代表として出場する選択肢もあったが、辞退してポールとのワークアウトを続けて新天地でのシーズンに備えた。
勉強家で努力家の一面の根底には、家族の存在がある。母親チャーミン・ギルジャスは、1992年のバルセロナ五輪でアンティグア・バーブーダ代表として陸上女子400m走に出場したオリンピアン。息子に対し、日々の鍛錬を忘れないように釘を刺すという。
「周囲の人々は僕を自惚れないようにしてくれる。特に母は、毎日僕が下手だと言うよ」
そんな21歳のガードは、新たなチームの顔になれるポテンシャルを秘める。ワールドカップでカナダ代表を指揮したトロント・ラプターズのニック・ナース・ヘッドコーチ(HC)は、ギルジャス・アレキサンダーの類まれな運動能力に舌を巻く。
「彼はリムに来るほど動きが速くなる。それは最も印象的で、ほとんどの場合は1対1のシチュエーションで起こる。彼は超絶アスリートだ」
ギルジャス・アレキサンダー本人は、「ポールがすべてにおいて僕を助けてくれる。コートでも、コート外でも、毎日ね。ピック&ロールなどのプレーのコントロール方法だけでなくゲーム以外のことも示してくれる」と“お手本”とも言うべき存在のポールに感謝する。2019年に行なわれた全33試合に先発出場したのは、ポールとギルジャス・アレキサンダーのみ。しかも、2人は5点差以内で迎えた第4クォーター残り5分においてフィールドゴール成功率58.9%(90本中53本成功)と抜群の勝負強さを誇っている。
昨季限りで現役を引退したドゥエイン・ウェイドは、バリエーション豊かな1対1で32得点をマークした前述のクリッパーズ戦を受け、21歳の若武者にこう太鼓判を押している。
「シャイはベテランのようにリーグにやってきた。彼は特別だ」
ウエストブルックに代わるフランチャイズプレーヤー候補――。平均トリプルダブルを3年連続で達成したスーパースターが比較対象だけに、大きな期待はプレッシャーにもなり得るが、ギルジャス・アレキサンダーはポールとともにその壁を乗り越えるに違いない。
構成●ダンクシュート編集部
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2018年のドラフト1巡目11位でシャーロット・ホーネッツに指名され、ロサンゼルス・クリッパーズへトレードされたギルジャス・アレキサンダーは昨季、ルーキーながら先発の座を掴み、全82試合に出場。プレーオフにも出場して貴重な経験を積んだ。
2019年のオフにジョージの大型トレードに巻き込まれる形でサンダー入り。これが覚醒のきっかけとなった。開幕戦でいきなり26得点をあげ、その後もコンスタントに20点オーバーを記録。12月に入るとさらにギアを上げ、12月22日の古巣クリッパーズ戦では自己ベストに並ぶ32得点を叩き出し勝利に貢献した。さらに、12月29日の故郷カナダでのトロント・ラプターズ戦では、試合終盤に決勝シュートをねじ込むとともに、リック・フォックスが保持していたトロントでのゲームにおけるカナダ出身選手の最多得点を更新(32得点)して歴史に名を刻むなど、平均20点に迫る勢いを見せている。
サンダーにとっては“嬉しい誤算”だが、ギルジャス・アレキサンダーは、「僕は一生懸命練習している。だから自分に自信を持っている」と飛躍の必然性を主張する。実際、2019年夏に中国で開催されたワールドカップにカナダ代表として出場する選択肢もあったが、辞退してポールとのワークアウトを続けて新天地でのシーズンに備えた。
勉強家で努力家の一面の根底には、家族の存在がある。母親チャーミン・ギルジャスは、1992年のバルセロナ五輪でアンティグア・バーブーダ代表として陸上女子400m走に出場したオリンピアン。息子に対し、日々の鍛錬を忘れないように釘を刺すという。
「周囲の人々は僕を自惚れないようにしてくれる。特に母は、毎日僕が下手だと言うよ」
そんな21歳のガードは、新たなチームの顔になれるポテンシャルを秘める。ワールドカップでカナダ代表を指揮したトロント・ラプターズのニック・ナース・ヘッドコーチ(HC)は、ギルジャス・アレキサンダーの類まれな運動能力に舌を巻く。
「彼はリムに来るほど動きが速くなる。それは最も印象的で、ほとんどの場合は1対1のシチュエーションで起こる。彼は超絶アスリートだ」
ギルジャス・アレキサンダー本人は、「ポールがすべてにおいて僕を助けてくれる。コートでも、コート外でも、毎日ね。ピック&ロールなどのプレーのコントロール方法だけでなくゲーム以外のことも示してくれる」と“お手本”とも言うべき存在のポールに感謝する。2019年に行なわれた全33試合に先発出場したのは、ポールとギルジャス・アレキサンダーのみ。しかも、2人は5点差以内で迎えた第4クォーター残り5分においてフィールドゴール成功率58.9%(90本中53本成功)と抜群の勝負強さを誇っている。
昨季限りで現役を引退したドゥエイン・ウェイドは、バリエーション豊かな1対1で32得点をマークした前述のクリッパーズ戦を受け、21歳の若武者にこう太鼓判を押している。
「シャイはベテランのようにリーグにやってきた。彼は特別だ」
ウエストブルックに代わるフランチャイズプレーヤー候補――。平均トリプルダブルを3年連続で達成したスーパースターが比較対象だけに、大きな期待はプレッシャーにもなり得るが、ギルジャス・アレキサンダーはポールとともにその壁を乗り越えるに違いない。
構成●ダンクシュート編集部
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