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「彼はファウルされたことすら気付いていなかったんだ!」元選手のマイク・ミラーがシャックの全盛期を回想<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.08.16

全盛期のシャックはファウルでも止められないほど圧倒的な支配力を誇った。(C)Getty Images

 8月13日(日本時間14日)、マイアミ・ヒートのレジェンドとして知られるユドニス・ハズレムと、2012、13年に同チームで優勝を経験したマイク・ミラーがホスト役を務めるポッドキャスト番組『The Ogs』の最新エピソードが公開され、ギルバート・アリナス(元ワシントン・ウィザーズほか)がゲスト出演した。

 今回、番組内で話題に挙がったのはレジェンドセンターのシャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)。216㎝・147㎏のシャックは、ペイントエリアで圧倒的な支配力に加え、その巨体とサイズに似つかわしくないクイックネスを駆使して1990年代後半~2000年代のNBAを支配してきた。

 この3選手のうち、ハズレムはヒートでシャックと共闘経験を持ち、2000年にNBA入りしたミラー、翌2001年にデビューしたアリナスはシャックがレイカーズで猛威を振るっていた時代に対戦している。

 ミラーはメンフィス・グリズリーズでパウ・ガソルとマルク・ガソル、ヒート時代にはレブロン・ジェームズ(現レイカーズ)やドゥエイン・ウェイド、キャリア終盤に所属したデンバー・ナゲッツではニコラ・ヨキッチともプレーしているが、シャックは"別格"だったようだ。

「シャキール・オニールは僕が見てきたなかで最も支配的なビッグマンだ。僕のチームは彼のためにディフェンスをしていた。チームで対策を講じたのに、彼が相手では何もできなかったよ」
 
 そう語ったミラーは、シャックの強靭さを物語るこんなエピソードも披露した。

「(対戦時に)彼はファウルされたことすら気付いていなかったんだ! 一度僕は彼に対してハードファウルを仕掛けたのに、僕が腕を痛めてしまったんだ。その時に『(ファウルしたのは)僕だ。ごめんよ』と話しかけたのに、彼は『お前、俺に当たってきたのか?』って感じで返してきたんだ」

 シャックは若手時代から相手のハードファウルを受けており、1995年のプレシーズンではマット・ガイガー(元ヒートほか)のチョップで右手親指を骨折したこともあった。

 だがそこからパワーを増したシャックはアンストッパブルな選手へ進化を遂げた。成功率こそ5割前後だったものの、キャリア中盤には8シーズン連続でフリースロー平均試投数が2桁超え、2000-01シーズンにはキャリアハイの13.1本を記録したように、相手チームはファウルで彼をスローダウンさせるしかなかった。

 ミラーがNBA入りした2000年当時、シャックはキャリアの全盛期を迎えていただけに、相手を寄せ付けない驚異的なパワーは今も脳裏に鮮明に焼き付いているようだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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