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NBA

「暗闇の中にいるよう」「今が土砂降りの時」今季最長の4連敗を喫したロケッツが攻守で抱える問題点とは?

出野哲也

2020.01.23

守備の向上はマストだが、攻撃におけるハーデンとウエストブルックの比重が大きいのも問題のひとつだ。(C)Getty Images

守備の向上はマストだが、攻撃におけるハーデンとウエストブルックの比重が大きいのも問題のひとつだ。(C)Getty Images

 ウエスタン・カンファレンスの優勝候補の一角と見られていたヒューストン・ロケッツが、今年に入って苦しい戦いを続けている。14日のメンフィス・グリズリーズ戦以降、20日のオクラホマシティ・サンダー戦までいずれもウエスタンのチーム相手に4連敗。負け方も悪く、サンダー戦では第4クォーター残り7分での15点リードをひっくり返されて逆転負けを喫した。

 在籍2年目のダヌエル・ハウスは今のチーム状態を「暗雲の中にいるよう」と形容していて、カンファレンス順位は6位まで下降している。ホームでポートランド・トレイルブレイザーズに敗れた15日には、試合後に選手が集まってミーティングを行なったが、その効果もなかったようだ。

 誰の目にも明らかなのはディフェンスの弱さである。平均失点は114.2で、ウエストでこれより悪いのはサンアントニオ・スパーズだけ。しかも11月は111.0失点だったのが、12月は113.5点、そして1月は114.9点と、月を追って改善されるどころか悪化している。
 
 ただ、これはリーグ有数のゲームペースの速さも理由のひとつ。その点を考慮に入れたディフェンシブ・レーティングは109.6でリーグ15位と、そこまで悪くはない。とはいえここでも、リーグ全体のプレーオフ圏内でロケッツを下回っているのは、ダラス・マーベリックスとグリズリーズの2球団しかない。4連敗中も、途中までいい戦いをしていたのに後半に入ると集中力を欠いてしまい、大量点を失う場面が目についた。レギュラーシーズンも半分を過ぎ、疲労もあって緊張感が緩みがちな時期だからこそ、一層気を引き締めて戦う必要がある。

 それでもまだ26勝16敗、10個も貯金があるのはリーグ2位のオフェンシブ・レーティングを誇る攻撃力のおかげ。つまりは守備さえ改善できれば、一気に上昇する可能性は秘めているのだ。かといって、攻撃面にも問題がないわけではない。ジェームス・ハーデン(平均36.9点)とラッセル・ウエストブルック(25.3点)に比重がかかりすぎているからだ。チームのフィールドゴール試投数のうち、実に46.2%をこの2人で占めている。ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームスとアンソニー・デイビスでも38.6%なのだから、どれほど頼り切っているかがわかる。
 

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