シャキール・オニールばりの分厚い肉体と、ゴール下の圧倒的な支配力から“ベイビー・シャック”の異名をとった元ギリシャ代表のビッグマン、ソフォクリス・スコーツァニティス。日本で開催された2006年の世界選手権（現ワールドカップ）で、チームUSAを破ったギリシャ代表の一員として躍動した彼の姿を記憶している人もいることだろう。

　同じアフリカにルーツを持つギリシャ国籍のバスケットボール選手として、アデトクンボ兄弟のメンターでもあった彼が、バスケットボールサイト『Basketball Sphere』のインタビューで、近年のビッグマンの在り方について持論を展開している。

「センターが３ポイントシュートを打つべきだという考えにはあまり賛同できない。私は今でも、センターの仕事とはペイントエリアでプレーすること、つまりリバウンドを取ったり、ボックスアウトしたり、相手と押し合いしたり、リムを守る、そんな泥臭い仕事だと思っている」

　古典的なインサイドプレーヤーだったスコーツァニティスらしい考えだ。
  「現代のバスケットボールは進化していて、センターも３ポイントシュートを打つ。 彼らが打ちたいのであれば、そうさせればいい。 それでも私にとって、センターはペイントエリアにいるべきだという考えは変わらない。 もちろんコーチが３ポイントを打つように指示した場合はそれに従うことになるが、ただ正直なところ、昨今の選手たちが自分たちの時代と同じだけの仕事をしているとは思えないんだ」

　一方で、現時点でNBAの平均得点でトップ３に立っている３人、ヤニス・アデトクンボ、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー、ニコラ・ヨキッチの３人がアウトサイドシュートに特化した選手ではないことを指摘して、「この３選手はみな素晴らしい。彼らのプレースタイルが新しい世代の選手たちにインスピレーションを与えることを期待している」とも語っている。

　つまりは、ミドルレンジでの攻防やローポストでの支配力、古典的なポストゲームがより重用される戦いを彼は臨んでいるというわけだ。