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守備の名手アレンがコビー・ブライアントとの対戦を回想「5本連続で外しても、5本連続で決めたような雰囲気を持っていた」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2025.02.21

守備の名手アレン(右)が、稀代のスコアラーとの対戦を振り返った。(C)Getty Images

 ロサンゼルス・レイカーズのレジェンドであるコビー・ブライアントは、そのキャリアで輝かしい栄光を手にするとともに、ライバルたちと数々の名勝負を演じた。守備職人としてしのぎを削ったトニー・アレン(元メンフィス・グリズリーズほか)が、好敵手とのエピソードを振り返っている。

 コビーは20年間のキャリアで通算1346試合に出場し、レブロン・ジェームズ(レイカーズ)、カリーム・アブドゥル・ジャバー(元レイカーズほか)、カール・マローン(元ユタ・ジャズほか)に次ぐ歴代4位の通算3万3643得点をマーク。リーグタイトルも計5回(2000~02年に3連覇、09・10年に連覇)獲得し、06年には歴代2位となる1試合81得点を記録した。

 ヘリコプター墜落事故で命を落とした2020年には数々の功績が認められ、バスケットボール殿堂入りを果たしている。

 2008年にボストン・セルティックスでリーグ優勝を経験し、オールディフェンシブチーム選出6回(1stチーム、2ndチーム各3回)と守備のスペシャリストとして鳴らしたアレンは、コビーの現役ラストイヤーとなった2016年、「トニーへ、俺が対戦した中で最高のディフェンダーだ」と直筆メッセージが入ったシューズを受け取るなど、一目置かれる存在だった。

 2008年と10年のNBAファイナルで直接対決を繰り広げたアレンは『Basketball Network』のインタビューで、好敵手について語った。
 
「守るのが一番ハードだった選手は、コビーと言わざるを得ない。私が8分間で6ファウルをさせられた唯一の男だからね。ヘッドフェイク、ヘッドフェイク、ターンしてフェイダウェイジャンパー。ポストではビッグマンのようにジャンプフックも打てる。彼は多くのカウンター技を持っていた」

 アレンは「彼と会話したことはない」と前置きした上で、コビーが"頭脳的プレー"にも長けていたことを示すあるエピソードを明かした。

「私はよくオーバープレー(通常より右あるいは左に大きくポジションを取り、どちらかの方向に進ませるように仕向ける守備)をしたが、『俺は君のプレーを知っている。映像で勉強したんだ』と言っていた。

 彼はパウ・ガソルと一緒にプレーしていて、スペイン語を話すんだ。『へい、アミーゴ(スペイン語で友の意)』みたいにね。ある時、私がオーバープレーしているのを見て、スペイン語で話し始めたんだ。『なぜ突然スペイン語なんだ?』となった。彼はバックドア(のプレーをする)を準備していたんだ」
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アレンから見たコビー、レブロン、デュラントの位置づけ