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NBA

コビー&シャック――最強のデュオであり最大のライバル、奇妙な関係にあった2人の紆余曲折の物語

大井成義

2020.01.30

真逆のパーソナリティを持つコビー(右)とシャック(左)。試合中は抜群のコンビネーションを見せながらも、コート外では反発し合っていた。(C)Getty Images

真逆のパーソナリティを持つコビー(右)とシャック(左)。試合中は抜群のコンビネーションを見せながらも、コート外では反発し合っていた。(C)Getty Images

■1998年頃より不仲が表面化し、“初優勝”後には深刻化

 2000年6月19日、名門ロサンゼルス・レイカーズは12年ぶりの優勝を成し遂げた。チームの中心選手、シャキール・オニールとコビー・ブライアントにとって、初のタイトル獲得である。試合終了のブザーが鳴り響いた瞬間、コビーが真っ先に駆け寄って飛びついた相手は、シャックだった。巨大なシャックの身体にしがみつき、雄叫びを上げるコビー。誰がどう見ても感動的な光景である。だが、この頃にはすでに、2人の間に大きな溝が横たわっていた。

 コビーとシャックは、真逆と言っていいほど異なったパーソナリティの持ち主だった。人一倍明るく楽天的な性格で、いつも仲間とふざけてばかりいるシャック。歯に衣を着せることなく、誰にでも思ったことをストレートに口にする。人間離れしたサイズとパワーのおかげで、練習せずともリーグのトップセンターに君臨することができる。それ以前に、大の練習嫌い。コビーより6歳年上で、NBAでのキャリアは4年長い。
 
 一方のコビーは、異常なまでに練習熱心で、ことバスケットボールに関しては常にシリアス。年齢に似合わぬ成熟した精神性を秘めている。滅多なことでは心を開かず、孤独を好み、どこか陰を漂わせている。NBAライターのリック・ビューカーは、当時の2人をこう表現している。「シャックはコビーに向かって『もっと明るくやれ』と言い、コビーはシャックに対し『もっと真面目にやれ』と言う」。見方によっては、水と油だった。

 英語版ウィキペディアに、“シャックとコビーの確執”という項目がある。それによると、2人の確執や不仲説が表面化したのは、コビーが先発の座を勝ち取った1998-99シーズンからとなっている。それまでにも、シャックは公の場でコビーを“showboat(目立ちたがり屋、気取り屋)”と呼び、からかったりしていたが、本格的に不穏な空気が漂い始め、実際にいくつかのトラブルが発生したのはその頃だった。
 
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