NBA 2024－25シーズンの新人王には、前評判通りサンアントニオ・スパーズのコンボガード、ステフォン・キャッスルが選出された。
昨年のドラフト全体１位指名、アトランタ・ホークスのザカリー・リザシェイも、シーズン終盤に今季のルーキー最多となる38得点を記録するなど、後半戦に存在感を発揮。キャッスルにどこまで肉薄するかが注目されたが、投票結果は100人中92人という大多数から１位票を得ての圧勝だった。
２年続けてのスパーズからの新人王誕生に、１年先輩のヴィクター・ウェンバンヤマは、自身のXで「ハッスル、ハート、そして純粋な才能...１年間を通して、キミは自分がこのタイトルにふさわしいことを証明した!!とても誇りに思うよ」と称賛メッセージを寄せている。
彼の言葉にもあるように、19歳でNBAデビューしたキャッスルはシーズンを通して安定したパフォーマンスを継続した。
ウェンバンヤマは、以前にもキャッスルについてこんな興味深いコメントをしていた。
「彼については衝撃的だったことがたくさんある。プレシーズンで３、４試合をこなした後、彼は僕にこう言ったんだ。『ゲームがスローに感じるようになってきた』ってね。そんなふうに感じるまでに、僕は50試合くらいはかかったよ」
今季のキャッスルは、先発出場は81試合中47試合にとどまったものの、プレータイムが30分前後に増加した11月からはコンスタントに２桁得点をマーク。最終的には、総得点（1190）、フィールドゴール成功数（423）、フリースロー成功数（249）、スティール（74）でもルーキーでトップの数字を叩き出した。
そんな彼のプレーの中でも特に印象的だったのは、ゲームにインパクトを与える勝負強さだ。
クラッチタイム（試合ラスト５分間で点差が５点以内の状況）でのプレー数は、ニューオリンズ・ペリカンズのイブ・ミッシの27回に次ぐ新人２位の26回。そこでの得点数は同シチュエーション15回以上のルーキーではトップの1.5点というのも、彼のインパクトを示す指標のひとつだ。さすがは昨年、コネティカット大でNCAA トーナメントを制しただけのことはある。
リザシェイが受賞していたら、フランス出身のドラ１選手の２連覇となっていたわけだが、アウトサイドシュートの才には秀でているものの、パフォーマンスに波があり、１月には内転筋の故障で欠場もあった。
しかし出場した75試合中73戦でスターターを務めたことで得た経験値は大きい。ホークスの主砲トレイ・ヤングはたびたびリザシェイへの称賛の言葉を口にしていたが、キャリアハイの38得点をマークした４月10日のブルックリン・ネッツ戦後には、「今年自分が目にしたルーキーの中で、最も明るい未来を持つ選手」と最大級の賛辞を贈っている。
「彼はものすごくアグレッシブだ。それにとても頭が良い。サイズがあり、運動能力が高く、スキルに長けている、という選手はたくさんいるけれど、その３つに頭脳をプラスして併せ持つ選手というのはそれほど多くない」
自身も新人王争いでは同期のルカ・ドンチッチに次ぐ２位に終わったヤングは、リザシェイの良き理解者となっている。エースから絶大な信頼を寄せられるキャッスル、リザシェイの、今後の成長に期待したいところだ。
■新人王 投票結果一覧
※選手名右の数字は左から合計ポイント、１位票（５ポイント）－２位票（３ポイント）－３位票（１ポイント）
1. ステフォン・キャッスル（スパーズ）／482（92-7-1）
2. ザカリー・リザシェイ（ホークス）／245（5-64-28）
3. ジェイレン・ウェルズ（グリズリーズ）／123（3-23-39）
4. アレックス・サー（ウィザーズ）／34（0-5-19）
5. ザック・イディー（グリズリーズ）／10（0-1-7）
6. ケレル・ウェア（ヒート）／4（0-0-4）
7. マタス・ブゼリス（ブルズ）／1（0-0-1）
7. ジャレッド・マケイン（76ers）／1（0-0-1）
文●小川由紀子
ウェンバンヤマが「無条件で信頼する」ステフォン・キャッスル。スパーズの注目新人が大先輩ポールから受けた“意外すぎる金言”とは＜DUNKSHOOT＞
昨年のドラフト全体１位指名、アトランタ・ホークスのザカリー・リザシェイも、シーズン終盤に今季のルーキー最多となる38得点を記録するなど、後半戦に存在感を発揮。キャッスルにどこまで肉薄するかが注目されたが、投票結果は100人中92人という大多数から１位票を得ての圧勝だった。
２年続けてのスパーズからの新人王誕生に、１年先輩のヴィクター・ウェンバンヤマは、自身のXで「ハッスル、ハート、そして純粋な才能...１年間を通して、キミは自分がこのタイトルにふさわしいことを証明した!!とても誇りに思うよ」と称賛メッセージを寄せている。
彼の言葉にもあるように、19歳でNBAデビューしたキャッスルはシーズンを通して安定したパフォーマンスを継続した。
ウェンバンヤマは、以前にもキャッスルについてこんな興味深いコメントをしていた。
「彼については衝撃的だったことがたくさんある。プレシーズンで３、４試合をこなした後、彼は僕にこう言ったんだ。『ゲームがスローに感じるようになってきた』ってね。そんなふうに感じるまでに、僕は50試合くらいはかかったよ」
今季のキャッスルは、先発出場は81試合中47試合にとどまったものの、プレータイムが30分前後に増加した11月からはコンスタントに２桁得点をマーク。最終的には、総得点（1190）、フィールドゴール成功数（423）、フリースロー成功数（249）、スティール（74）でもルーキーでトップの数字を叩き出した。
そんな彼のプレーの中でも特に印象的だったのは、ゲームにインパクトを与える勝負強さだ。
クラッチタイム（試合ラスト５分間で点差が５点以内の状況）でのプレー数は、ニューオリンズ・ペリカンズのイブ・ミッシの27回に次ぐ新人２位の26回。そこでの得点数は同シチュエーション15回以上のルーキーではトップの1.5点というのも、彼のインパクトを示す指標のひとつだ。さすがは昨年、コネティカット大でNCAA トーナメントを制しただけのことはある。
リザシェイが受賞していたら、フランス出身のドラ１選手の２連覇となっていたわけだが、アウトサイドシュートの才には秀でているものの、パフォーマンスに波があり、１月には内転筋の故障で欠場もあった。
しかし出場した75試合中73戦でスターターを務めたことで得た経験値は大きい。ホークスの主砲トレイ・ヤングはたびたびリザシェイへの称賛の言葉を口にしていたが、キャリアハイの38得点をマークした４月10日のブルックリン・ネッツ戦後には、「今年自分が目にしたルーキーの中で、最も明るい未来を持つ選手」と最大級の賛辞を贈っている。
「彼はものすごくアグレッシブだ。それにとても頭が良い。サイズがあり、運動能力が高く、スキルに長けている、という選手はたくさんいるけれど、その３つに頭脳をプラスして併せ持つ選手というのはそれほど多くない」
自身も新人王争いでは同期のルカ・ドンチッチに次ぐ２位に終わったヤングは、リザシェイの良き理解者となっている。エースから絶大な信頼を寄せられるキャッスル、リザシェイの、今後の成長に期待したいところだ。
■新人王 投票結果一覧
※選手名右の数字は左から合計ポイント、１位票（５ポイント）－２位票（３ポイント）－３位票（１ポイント）
1. ステフォン・キャッスル（スパーズ）／482（92-7-1）
2. ザカリー・リザシェイ（ホークス）／245（5-64-28）
3. ジェイレン・ウェルズ（グリズリーズ）／123（3-23-39）
4. アレックス・サー（ウィザーズ）／34（0-5-19）
5. ザック・イディー（グリズリーズ）／10（0-1-7）
6. ケレル・ウェア（ヒート）／4（0-0-4）
7. マタス・ブゼリス（ブルズ）／1（0-0-1）
7. ジャレッド・マケイン（76ers）／1（0-0-1）
文●小川由紀子
ウェンバンヤマが「無条件で信頼する」ステフォン・キャッスル。スパーズの注目新人が大先輩ポールから受けた“意外すぎる金言”とは＜DUNKSHOOT＞
