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NBA

「外野がどう言おうと気にすることはない」ニックスが“有言実行”の戦いで王者セルティックスに先勝!<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.05.06

延長にもつれた一戦はアヌノビーのダンクで流れを掴んだニックスが大逆転勝利。王者相手に敵地で先勝した。(C)Getty Images

延長にもつれた一戦はアヌノビーのダンクで流れを掴んだニックスが大逆転勝利。王者相手に敵地で先勝した。(C)Getty Images

 現地時間5月5日に行なわれたプレーオフのイースタン・カンファレンス・セミファイナル第1戦、ニューヨーク・ニックスが敵地TDガーデンで昨季王者ボストン・セルティックス相手に108-105で勝利を収めた。

 セルティックスは、1回戦でフィジカルなディフェンスを売りとするオーランド・マジックを4勝1敗で蹴散らした。右ハムストリングを負傷して最後の3試合を欠場したドリュー・ホリデーも復帰し、ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウン、デリック・ホワイト、クリスタプス・ポルジンギスとベストメンバーで臨んだ。

 一方のニックスはデトロイト・ピストンズとの1回戦を4勝2敗で突破し、3年連続のカンファレンス・セミファイナル進出。ジェイレン・ブランソン、カール・アンソニー・タウンズのオールスターデュオを軸に、ミケル・ブリッジズ、OG・アヌノビー、ジョシュ・ハートと有能なロールプレーヤーが揃う先発陣の破壊力はリーグ有数だ。

 もっとも、ニックスは今季レギュラーシーズンの直接対決でセルティックスに4戦全敗。相手は豊富な経験に加え、オールスイッチにも対応できる難攻不落のディフェンス力を誇る。

 ブランソンは3日の練習後にこう口にしていた。

「当然、レギュラーシーズンの時よりいいプレーをしていく必要がある。ジャンプボールから準備万端にし、ランの仕掛け合いになることを想定しているし、相手は多方面で見事なプレーをしてくることはわかっている。冷静さを保ち、チーム一丸になって、試合を通して自分たちのプレーを続けなければならない」
 
 迎えた試合は、立ち上がりから一進一退の攻防が続くなか、第2クォーター中盤から抜け出したセルティックスが前半を終えて61-45とリード。第3クォーター残り5分47秒時点では75-55と20点差をつけ、勝負あったかと思われた。

 それでもニックスはここから反撃に転じ、第4クォーター残り7分26秒に同点に追いつくと、以降はリードチェンジの応酬で100-100のまま延長に突入。オーバータイムではアヌノビーのダンク+ボーナスフリースロー、ブリッジズの3ポイントで6点を先行したニックスが108-105で敵地の初戦をモノにした。

 シーズン中の戦績で圧倒的不利なニックスだったが、ファウルトラブルだったタウンズを除く先発4人が43分以上をプレー。ブランソンとアヌノビーが各29得点、タウンズが14得点、13リバウンドでチームを支えた。

 ブリッジズとともに後半と延長の計29分間にフル出場し、14得点、11リバウンドをマークしたハートは、戦前にこうコメントしていた。

「もし自分たちが(優勝候補から)除外されているのだとしたら、俺たちは自由気ままに、かつ最高のレベルでプレーすればいい。外野がどう言おうと気にすることはない。自分たちの内面で感じていることにフォーカスし、他人の考えを自分たちの中に組み込むようなことはしない。同じ人がある日称賛し、その次の日にはつぶしにくるような世界だからね」

 有言実行の戦いぶりでシリーズ先勝を飾ったニックス。王者相手に番狂わせを起こせるか、第2戦以降も注目だ。

文●秋山裕之(フリーライター)
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