今年2月、マイアミ・ヒートは2019年から在籍していたジミー・バトラーをシーズン中にゴールデンステイト・ウォリアーズにトレード。フランチャイズの顔だったスターを手放し、ひとつの時代が終焉を迎えた。
その後、チームはタイラー・ヒーローとバム・アデバヨを中心に、イースタン・カンファレンス10位からプレーインを勝ち上がり第8シードの座を手にしたが、1回戦でクリーブランド・キャバリアーズにスウィープ(0勝4敗)負け。一桁点差で終わったのは第2戦(9点差)のみで、シリーズ平均30.5点差の屈辱的大敗を喫した。
ヒートは04年にシャキール・オニール、10年にレブロン・ジェームズとクリス・ボッシュ、19年に前述のバトラーといったスター選手をFA(フリーエージェント)やトレードで加え、そこからファイナル進出を果たしてきた実績がある。
昨季の惨敗を受け、オフにはシーズン中からトレードの噂が絶えなかったケビン・デュラントの移籍先候補のひとつに挙がっていた。
しかし、実際にはパット・ライリー(球団社長)率いるフロントは動かなかった。報道によれば、ヒートがデュラント争奪戦に本腰を入れていたという話もあったが、米スポーツ専門局『ESPN』のシャムズ・シャラニア記者によると、ヒートは「ハイメ・ハケスJr.、ニコラ・ヨビッチ、ヘイウッド・ハイスミス、今年のドラフト1巡目20位指名権、その他複数のドラフト資産を含むトレード案を断った」という。
そんななか、ヒートのレジェンド、ドゥエイン・ウェイドは自身がホストを務める『WY Network』の番組『Time Out with Dwyane Wade』で、ヒートとデュラントに言及した。
「KD(デュラント)を取りに行こうとしたのは、これが初めてじゃない。ヒートはここ10年、ずっとKDを狙ってきたんだ。じゃあ、本当に欲しいのか、欲しくないのか? 今の動きは、いかにもヒートらしいね。ヒートは勝てると確信するまで、自分たちのチップを動かさないんだ」
ウェイドは2度のファイナルMVP受賞経験を持つデュラントの能力は認めつつも、ヒートのフロントはスタッツ以上のものを見ていると指摘する。
「明らかに彼らは、KDを取るためにあの代償を払いたくなかった。(36歳という)年齢、ケガのリスク、様々な要素を見る。ただ、1試合25点取れる選手というだけじゃダメなんだ。このチップを本当に賭ける価値があるかどうかを慎重に見定める。ヒートにとって、KDはそこまでの価値がないと映ったのかもしれない」
最終的に、デュラントはジェイレン・グリーン、ディロン・ブルックス、6つのドラフト指名権との交換でヒューストン・ロケッツへ移籍した。キャリア終盤に差しかかっているとはいえ、レギュラーシーズン平均27.2点、プレーオフ平均29.3点を誇るスコアラーはどんなチームにもフィットし、優勝候補に押し上げる力がある。
「僕もヒートファンとして、歯を食いしばって怒りたい気持ちもあるよ。でも同時に、『彼らはちゃんと考えてやってる』とも思うんだ」とウェイドは古巣に理解を示した。
とはいえ、敏腕社長ライリーが率いるヒートがこれで終わるはずはない。リーグの勢力図を変えるようなビッグディールが、水面下で着々と進んでいる可能性もありそうだ。
構成●ダンクシュート編集部
ウェイドがヒートのGOATにレブロンを指名。「僕は、ヒートの歴史上で最も偉大な選手。ただ、最高の選手ではない」<DUNKSHOOT>
「断る理由がなかった」「ほぼタダ同然で手に入れたようなもの」識者がデュラントを獲得したロケッツを“勝ち組認定”<DUNKSHOOT>
NBA制覇3度のウェイドが“独特な表現”で自身のキャリアを評価「30階建てのホテルで僕は25階まで」<DUNKSHOOT>
その後、チームはタイラー・ヒーローとバム・アデバヨを中心に、イースタン・カンファレンス10位からプレーインを勝ち上がり第8シードの座を手にしたが、1回戦でクリーブランド・キャバリアーズにスウィープ(0勝4敗)負け。一桁点差で終わったのは第2戦(9点差)のみで、シリーズ平均30.5点差の屈辱的大敗を喫した。
ヒートは04年にシャキール・オニール、10年にレブロン・ジェームズとクリス・ボッシュ、19年に前述のバトラーといったスター選手をFA(フリーエージェント)やトレードで加え、そこからファイナル進出を果たしてきた実績がある。
昨季の惨敗を受け、オフにはシーズン中からトレードの噂が絶えなかったケビン・デュラントの移籍先候補のひとつに挙がっていた。
しかし、実際にはパット・ライリー(球団社長)率いるフロントは動かなかった。報道によれば、ヒートがデュラント争奪戦に本腰を入れていたという話もあったが、米スポーツ専門局『ESPN』のシャムズ・シャラニア記者によると、ヒートは「ハイメ・ハケスJr.、ニコラ・ヨビッチ、ヘイウッド・ハイスミス、今年のドラフト1巡目20位指名権、その他複数のドラフト資産を含むトレード案を断った」という。
そんななか、ヒートのレジェンド、ドゥエイン・ウェイドは自身がホストを務める『WY Network』の番組『Time Out with Dwyane Wade』で、ヒートとデュラントに言及した。
「KD(デュラント)を取りに行こうとしたのは、これが初めてじゃない。ヒートはここ10年、ずっとKDを狙ってきたんだ。じゃあ、本当に欲しいのか、欲しくないのか? 今の動きは、いかにもヒートらしいね。ヒートは勝てると確信するまで、自分たちのチップを動かさないんだ」
ウェイドは2度のファイナルMVP受賞経験を持つデュラントの能力は認めつつも、ヒートのフロントはスタッツ以上のものを見ていると指摘する。
「明らかに彼らは、KDを取るためにあの代償を払いたくなかった。(36歳という)年齢、ケガのリスク、様々な要素を見る。ただ、1試合25点取れる選手というだけじゃダメなんだ。このチップを本当に賭ける価値があるかどうかを慎重に見定める。ヒートにとって、KDはそこまでの価値がないと映ったのかもしれない」
最終的に、デュラントはジェイレン・グリーン、ディロン・ブルックス、6つのドラフト指名権との交換でヒューストン・ロケッツへ移籍した。キャリア終盤に差しかかっているとはいえ、レギュラーシーズン平均27.2点、プレーオフ平均29.3点を誇るスコアラーはどんなチームにもフィットし、優勝候補に押し上げる力がある。
「僕もヒートファンとして、歯を食いしばって怒りたい気持ちもあるよ。でも同時に、『彼らはちゃんと考えてやってる』とも思うんだ」とウェイドは古巣に理解を示した。
とはいえ、敏腕社長ライリーが率いるヒートがこれで終わるはずはない。リーグの勢力図を変えるようなビッグディールが、水面下で着々と進んでいる可能性もありそうだ。
構成●ダンクシュート編集部
ウェイドがヒートのGOATにレブロンを指名。「僕は、ヒートの歴史上で最も偉大な選手。ただ、最高の選手ではない」<DUNKSHOOT>
「断る理由がなかった」「ほぼタダ同然で手に入れたようなもの」識者がデュラントを獲得したロケッツを“勝ち組認定”<DUNKSHOOT>
NBA制覇3度のウェイドが“独特な表現”で自身のキャリアを評価「30階建てのホテルで僕は25階まで」<DUNKSHOOT>