NBA

“新生スプラッシュ・ブラザーズ”にカペラを加えたホークス。ウォリアーズの成功を陰で支えた敏腕GMが描く青写真とは?

秋山裕之

2020.02.07

今季は下位に低迷しているホークスだが、2年目にしてオールスターの先発に選ばれたヤング(中央)を軸に若手有望株が揃いつつある。(C)Getty Images

 NBAは2月6日(日本時間7日)にトレード・デッドラインを迎え、複数のチームがトレードを断行。チャンピオンシップ獲得を狙う強豪、プレーオフに向けて戦力増強を図りたい中堅、来季以降を見据えて動き出したヤングチームなど、各球団の思惑はそれぞれ異なる。

 現在14勝38敗でイースタン・カンファレンス14位に沈むアトランタ・ホークスは、プレーオフ出場圏内である8位のオーランド・マジック(22勝30敗)と8.0ゲーム差をつけられており、今季のポストシーズン進出は望み薄。そのため、来季以降に向けた戦力強化として複数のトレードを成立させたのだが、その結果、終盤戦にプレーオフ争いを盛り上げる可能性を秘めたチームへと変貌を遂げた。

 直近12試合で6勝6敗と奮闘していたホークスは、この数日間でエバン・ターナー、ジャバリ・パーカー、アレックス・レン、ドラフト指名権を放出し、ヒューストン・ロケッツからクリント・カペラ、サクラメント・キングスからドゥエイン・デッドモン、ポートランド・トレイルブレイザーズからスカル・ラビシエなど、複数の戦力を獲得した(その後、ネネとチャンドラー・パーソンズを解雇)。
 
「このチームのヤングコアに、クリントを加えることができて興奮している。彼はリムプロテクト能力(ゴール近辺を守る力)を持ち、エリートレベルのリバウンド力があり、我々のインサイドにおいて、必要とされるものを埋める選手。オフェンス面では、強力なフィニッシャーかつロールマンとなるだろう」

 カペラについてこう語るのは、ホークスでバスケットボール運営部門代表兼ゼネラルマネジャー(GM)を務めるトラビス・シュレンクだ。1997-98シーズンにオーランド・マジックでフロントのキャリアをスタートさせた彼は、2000年からマイアミ・ヒートでビデオコーディネーターとしてキャリアを積み、2017年までの13年間はゴールデンステイト・ウォリアーズでフロントを務めた実績を持つ。

 ウォリアーズ在籍時における最後の5年間は、ボブ・マイヤーズGMの下でアシスタントGMを務めており、2010年代で最も大きな成功を収めたフランチャイズの陰の功労者と言ってもいい。
 
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ヤングを筆頭に、ドラフトで次々と有望株を獲得