３年連続でプレーオフ１回戦敗退に終わったミルウォーキー・バックスは、フランチャイズプレーヤーであるヤニス・アデトクンボの動向が注目を浴びる中でオフシーズンを迎えた。

　現地時間６月29日（日本時間30日）、バックスは、2025－26シーズンの契約（プレーヤーオプション）を破棄して完全FA（フリーエージェント）になるボビー・ポーティスと３年4400万ドル（約63億3000万円）で再契約する意向と米スポーツ専門局『ESPN』が報道。

　翌30日にはケビン・ポーターJr.と２年1100万ドル（約15億8200万円）、トーリアン・プリンスと２年710万ドル（約10億2100万円）、ゲイリー・トレントJr.と２年750万ドル（約10億7800万円）でそれぞれ再契約に合意した。

　その一方で、直近７シーズンをバックスで過ごし、アデトクンボを支えてきた先発センターのブルック・ロペスが２年1800万ドル（約25億9000万円）でロサンゼルス・クリッパーズと契約合意したことで流出。

　するとバックスは代わりのビッグマンを確保すべく、７月１日にインディアナ・ペイサーズ在籍10年を誇るマイルズ・ターナーと４年１億700万ドル（約153億9100万円）で契約合意に持ち込み、デイミアン・リラードをウェイブ（保有権放棄）する決断を下した。
  　向こう２年間で約１億1300万ドル（約162億5000万円）の契約を残していたリラードは、今後５年間でバックスから平均約2251万ドル（約32億3700万円）を受け取るとともに、完全FAになってどのチームとも契約可能な状況に。

　バックス在籍２年目の昨季、リラードはNBAカップの２代目王者に輝く強力な手助けをしたものの、右ふくらはぎの深部静脈血栓症のため３月下旬から戦線離脱。

　ペイサーズとのプレーオフ１回戦の第２戦で復帰したが、第４戦の第１クォーターに左足アキレス腱断裂の重傷を負い、次シーズンの出場も絶望的と見られている。

　今月15日に35歳を迎えるリラードが、復帰後も本来のパフォーマンスを取り戻せる保障はない。とはいえ、オールスター選出９度、オールNBAチーム選出７度を誇るエリートガードであり、現代NBAでも屈指のディープスリーの使い手だけに、バックスが下した決断は賛否両論だったことは言うまでもない。

　クリス・ヘインズ記者は「バックスがリラードをウェイブした決断を、アデトクンボは快く思っていない」と報じたように、覇権争いを目指すために獲得したエースガードとの突如の決別は、チーム内外に大きな衝撃を与えた。