専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

「ある夜、もうやめたいと思った」スペインの“神童”ルビオが波乱のキャリアを激白「白か黒で、グレーがなかった」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.07.09

ルビオが19年のプロキャリアを赤裸々に振り返った。(C)Getty Images

ルビオが19年のプロキャリアを赤裸々に振り返った。(C)Getty Images

 ミネソタ・ティンバーウルブズなどで活躍したスペイン出身のリッキー・ルビオが、ジャーナリストのジョルディ・エヴォーレ氏がホストを務める番組『Lo de Evole』で、自身のキャリアを赤裸々に振り返ったインタビューが話題を呼んでいる。

 バルセロナ近郊の町エル・マズノウで生まれ育ったルビオは、少年時代から“天才”、“神童”と言われて脚光を浴びてきた。マズノウから1番近いプロクラブ、DKVホベントゥットでリーグ戦デビューしたのは14歳の時。このスペインでの最年少デビュー記録はいまだ破られていない。
 
 その後ステップアップしたバルセロナで2009-10シーズンにユーロリーグ優勝を達成。2009、11年にはスペイン代表の一員としてユーロバスケット王者となり、09年のNBAドラフトではウルブズから全体5位指名を受けるなど、絵に書いたようなエリート街道を歩んできた。

 しかし、一見すると栄光に彩られたバスケ人生の裏では、常に自分の素質に自問自答し続け、悩み、もがいていたことが、このインタビューで語られている。

 ルビオはU16欧州選手権のMVP、スペインリーグやユーロリーグのライジングスター賞、19年のワールドカップMVPなど、数多くの個人賞も手に入れてきたが、それでも本人は「自分は偽物であり、この賞に値しない」と感じていたという。
 
 ユタ・ジャズに所属していた18年プレーオフでのハムストリングの故障、クリーブランド・キャバリアーズ時代の21年12月には前十字靭帯断裂とケガにも苦しんだ。さらに16年には、彼のキャリアを支えてきた最愛の母との別れもあった。

 そこから瞑想療法などを試しながらメンタルを整えていると語っていたが、限界を迎えたのが23年の夏。ワールドカップに向けたスペイン代表合宿の最中だった。

「あまり大袈裟な感じでは言いたくない」と前置きしながら、ルビオは、「ある夜ホテルで、『もうやめたい』と思った」と当時の心境を吐露。

 彼が「やめたい」と思ったのは、バスケットボール選手としてのキャリアではなく、“人生”だった。

「自分には家族がいるし、子どもいる。それでも一瞬だけ、そう感じたんだ。『待て、これは本当の自分じゃない、何かが自分を支配している』とね」

 人生の成功者や、自ら命を絶つ人など、さまざまな境遇に置かれた人たちの気持ちが理解できると続けたルビオは、「ある瞬間、すべてが重くのしかかってくる。人生に意味がないように感じた」と暗い闇の中にいた頃の心境を振り返っている。

 ルビオは、自らスペイン代表からの離脱を申し入れ、キャブズでの活動もメンタルケアのために休止。年明けの24年1月に12年間のNBAキャリアに幕を下ろした。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号

  • soccer_digest

    7月10日(木)発売!

    定価:800円 (税込)
  • world_soccer_digest

    7月17日(木)発売

    定価:890円 (税込)
  • smash

    6/20(金)発売!

    定価:800円 (税込)
  • dunkshot

    6月27日(金)発売!

    定価:1100円 (税込)
  • slugger

    5月23日(金)発売!

    定価:1100円 (税込)