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若返りと新たなシューターを加えたバックス。GMはヤニスのPG起用に期待?「それが最も成功を収める布陣だと私は見ている」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.07.18

ロスターの変更に伴い、来季はアデトクンボの役割にも変化が生じるかもしれない。(C)Getty Images

 今オフのミルウォーキー・バックスは、ボビー・ポーティスやトーリアン・プリンス、ケビン・ポーターJr.、ゲイリー・トレントJr.、ライアン・ロリンズ、ジェリコ・シムズ、クリス・リビングストンと再契約または延長契約を結んで残留させた。

 一方、FA(フリーエージェント)のブルック・ロペスがロサンゼルス・クリッパーズへ、パット・カナトンがトレードでシャーロット・ホーネッツへ移籍。先発ポイントガード(PG)で第2の得点源でもあるデイミアン・リラードをウェイブ(保有権放棄)し、別れを告げた。

 ロペスに代わる先発センターには、ライバルチームのインディアナ・ペイサーズからマイルズ・ターナーを獲得。ガード陣には昨季オーランド・マジックでプレーしたコール・アンソニーとギャリー・ハリスを新たにロスターへ加えている。

 このチームの大黒柱は言うまでもなくヤニス・アデトクンボだ。彼を中心に、昨季途中のトレードで加入したカイル・クーズマやガードのAJ・グリーン、アンドレ・ジャクソンJr.と上記の新加入組でロスターを形成していく。
 
 来季の予想スターターはバックコートにポーターJr.とトレントJr.、フロントコートにクーズマとアデトクンボ、ターナーという布陣。37歳のロペス、先日35歳になったリラード、32歳のカナトンが退団し、最年長は31歳のプリンスになったことで、若返りに成功した。

 もっとも、プレーオフでは3年連続でファーストラウンド敗退に終わっているチームにとって、アキレス腱断裂に見舞われたとはいえオールスターガードのリラードを手放したことで"スターパワー"はダウン。ターナーやクーズマもややパワー不足で、ガード陣の入れ替えがどう影響するかも気になるところだ。

 ただ、このチームはいざとなればアデトクンボがPG役に回ることができる事実を忘れてはならない。現地時間7月16日に米スポーツ専門メディア『The Athletic』に掲載されたインタビュー記事で、バックスのジョン・ホーストGM(ゼネラルマネージャー)はガード陣についてこう語っていた。

「我々はこれまで、常に特定のタイプのガード陣を擁してきた。喜んでキャッチ&シュートを放ち、プレーメーカーになれる能力のあるガードだ。ただし、我々は真のプレーメーカーを必要としていない。我々にとってこれまでのベストチームのいくつかにおいて、なかには素晴らしいチームもたくさんあったが、ガードにはシュート力のある選手たちを据えてきた」