一方、開幕２連勝と好調だったフランスも、３戦目のイスラエル戦で黒星。前日のスロベニア戦で、ガードのシルヴァン・フランシスコが試合終了を告げる挨拶を交わした後にレイアップを決めるという珍事をやらかしたことで、彼を筆頭にチーム全体が非難を浴びた精神的ダメージも見受けられた。

　それでも次戦では、ガーション・ヤブセレ（ニューヨーク・ニックス）が36得点の大爆発でグループ首位のポーランドを撃破。最終戦は８人が２桁得点、６リバウンド超えが５人という総合力で、アイスランドを40点差で下している。

　１位から４位まで順位が確定していない状態で迎えたグループ最終戦では、スロベニアがイスラエルに勝ったことでフランスの首位が決定。トップ通過を狙っていたポーランドは、最終節でベルギーに１点差で敗れて２位に落ち着いた。
  　ちなみに、スロベニア対イスラエル戦では、選手たちが入場する際にドンチッチの姿がなく、会場がざわつくシーンがあった。試合後に判明した事実は、ただトイレに行っていて間に合わなかっただけ。

　本人いわく「ハーフタイムまで我慢できそうになかった」。そんなバタバタがあっても、37得点、11リバウンド、９アシストと、トリプルダブル級の数字を残してしまうところが“神童”たる所以だ。

　グループCとDの勝ち抜け同士が対決するラウンド16 の組み合わせは以下の通りだ。

ギリシャ（C1）vsイスラエル（D4）
フランス（D1）vsジョージア（C4）
ポーランド（D2）vsボスニア・ヘルツェゴビナ（C3）
イタリア（C2）vsスロベニア（D3）

　アレックス・サー（ワシントン・ウィザーズ）が負傷のため離脱したフランスは、フィジカル勝負を仕掛けてくるジョージアにどう対抗するか。ギリシャが迎え撃つイスラエルは、デニ・アブディヤ（ポートランド・トレイルブレイザーズ）が大会４位の平均24.4点とオフェンスを牽引し、ディフェンス面でもバランスが取れた好チームだけに苦戦するかもしれない。

　強豪イタリア対ドンチッチが率いるスロベニア戦も、接戦となることだろう。ここからは、負ければ即敗退のノックアウトステージだ。欧州の頂点を目指す猛者たちの熱い戦いに注目しよう。

文●小川由紀子

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