アタマンHC は、司令塔のラーキンとシェングンへのタイトなディフェンスを予想して、試合前夜からオスマニに対して、「オープンになるから狙っていけ」と話していたという。そしてその狙い通りに、オスマニは準決勝での大会記録タイとなる６本のロングシュートを沈めてみせた。

　オスマニは得点だけでなくヤニスとのマッチアップも担い、12得点に抑える殊勲のパフォーマンスだったわけだが、アタマンHCはヤニスへのディフェンスプランをこう描写した。

「我々はヤニスがドリブルで中に切れ込んでくるように仕向け、彼がオスマニを抜こうとするところで必ずシェングンをヘルプにつけた。NBAではない欧州バスケにおいては、こうしたペイント内で勝負するディフェンスというのは、しっかり準備して、さらに選手たちがアグレッシブに相手との距離を縮める、広げるという動きを習得しさえすれば、それほど難しいことではないのだ」

　アタマンHC は「ヤニスを止めるのがこれほど上手いオスマニには、NBA から誘いが来るかも？（所属クラブの）エフェスは大変だ（笑）」とジョークをかます余裕ぶりだった。
  　チームの得点頭であるシェングンはこの日、第１クォーターで８本シュートを打つも無得点と不発だったが、「今日は自分がノッてる日じゃなかったけれど、毎試合そうである必要はない。他の誰かがやってくれるからね。自分はとにかくアグレッシブにプレーすることだけ考えていた」とコメント。

「自分たちはとにかくアグレッシブに挑んだ。チームにはタレントが揃っている。全員が点が取れて、ディフェンスもできる。僕らはお互いのことが大好きで、お互いのためにプレーしている。そして、自分たちに自信を与えてくれるコーチがいる」

　アタマンHC は試合前、選手たちに「お前たちの方が優れたチームだ。指導者歴30年の自分が言うんだから間違いない」と言って送り出してくれたとシェングンは明かした。

「（ヤニスは）プレーが悪かったわけじゃない。自分たちが上手くやったんだ。彼らはずっと良い試合をしていた。でも今日は、僕たちが彼らよりハードにプレーした。より多くのショットを決めて、彼らより勝っていた」