そして、常につきまとうドイツの英雄ダーク・ノビツキーについて聞かれると、リーダーは静かにこう語った。

「ダークが成し遂げたNBAと代表での実績が、自分たちを代表チームに導いてくれた。でも、僕の名前はデニス・シュルーダー。それが僕のレガシーだ。チームメイトが最高の状態で最高峰の舞台で戦い、金メダルを勝ち取るために自分にできることをすべて出し尽くす。それが自分の役目であって、それ以外のことはどうでもいいんだ」
  　惜しくも敗れはしたが、トルコのパフォーマンスはエルギン・アタマンHCが、「試合を引っ張っていたのは自分たち」と豪語した通り、チームは序盤から２桁のリードを奪うなど、多くの時間帯で主導権を握っていた。

　準々決勝のポーランドで負傷しながらも、ギリシャとの準決勝、ドイツとの決勝戦でもアルペレン・シェングンの28得点に次ぐ23得点、５リバウンドを奪ったシェディ・オスマンの闘魂も見事だった。

　これまでトルコは、2010年のＷ杯銀メダルをはじめ、自国開催の大会でしかメダルを獲得できていなかった。しかし今回は、アウェーの地で初めて手にした価値あるメダルとなった。

文●小川由紀子

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