「チームのため、この国のために、本当に嬉しい。16年ぶりにチームを成功に導けた。トレーニングキャンプの初日から、僕たちは集中していた。そして全員がこの共通の目標、当然の権利としてではなく、メダルを勝ち取るために戦うことを肝に銘じていた。

　なぜなら、努力せずに得られるものなど何もないからだ。だから初日から、チームメイトも、コーチ陣も、スタッフも、全員が本当に集中していた。これは僕たちが長年待ち望んでいたこと。それが実現できてほっとしている」

　バスケ強豪国と言われるギリシャだが、ユーロバスケットでメダルを獲得したのは2009年大会の銅メダルが最後。いずれも、現在はHCを務めるスパノーリスが現役でプレーしていた時代だ。

　ヤニスは、19歳だった2014年のW杯からシニア代表として国際トーナメントに出場し、その後もケガなどのコンディション面の問題がなければ、代表でプレーを続けてきた。しかしNBAのMVPを擁しても、前回大会は５位、昨年のパリ五輪は８強止まりと、期待された結果は残せなかった。
  　それゆえに「ほっとしている」という本人の言葉は、心の底から出たものだったのだろう。

　会見でNBA チャンピオンや、MVP など、数々の栄誉を手にした彼にとって、このメダルが意味するものを聞かれると、「これ（代表でのメダル獲得）は、自分が常に達成したいことだった。ミルウォーキーでNBAに優勝したことはとてつもなく大きな達成だ。でも、1200万人のギリシャ国民を喜ばせ、かつての自分がそうだったように、子どもたちに自分もいつか代表チームでメダルを取りたいという夢を思い描いてもらえる。だからこれはおそらく、自分のキャリアの中で最高の成果だ」と饒舌に語った。

　ヤニスは続ける。

「（NBAで）MVPを取った時は、母さんや弟たちは喜んだ。たぶん僕のエージェントも喜んだと思う。だけど、多くの人たちに感動を与えたわけじゃなかった。でも代表で、ギリシャの人々がテレビにかじりついて、バスケットボールを観戦して、応援する喜びを見出している姿を見て、自分はたくさんの人たちをハッピーにすることができたと感じた。

　今回も、みんなが本当に喜んでくれた。ギリシャに着いたらたくさんの人が空港で待っていてくれるかもしれない。みんなが興奮して、楽しんでくれたんだ…」