ルーキーは、キャリアで初めて得点を決めた試合で使用したボールを記念に持ち帰ることができるというのは、NBAではいわば慣例。よってジャレッド・ヴァンダービルトが彼にボールをあげに行こうとしたところで、審判の1人から待ったがかかった。
ヴァンダービルトはその時のことをこう振り返る。
「彼は『(その行為を)報告するぞ』って言ってきたんだ。いったい何を言ってるんだと思ったよ。この審判は、自分に権力があることを見せつけたかったのか?ともかく、さっぱり訳がわからなかった。
これ(ルーキーに記念球をあげること)は俺がリーグに入るずっと前から行なわれていたことだ。それともあの審判は、自分がボールを家に持ち帰りたかったのか?」
そんないざこざを目にして、喧騒の輪に歩み出たのがヤニス・アデトクンボ。バックスの大エースは、チームスタッフが持っていた使用球のひとつを手に取ると、ドンチッチに渡した。
「いったい何が起こっているのかわからなかった。(兄の)タナシスに聞いたら『なんでかわからないけど、ルーキーにボールを渡さないらしい』と。俺もなぜ渡さないのかさっぱり理解できなかった。だから取りに行って、レイカーズ側に返したんだ」
そんなヤニスの行動に、オースティン・リーブスも「本当に品格を感じる」と感嘆していたというが、こうしてボールは無事、シーローの手に渡った。すったもんだはあったが、最終的には自軍の先輩たちのみならず、元MVPのスーパースターまでもが介入してくれたことで、一層ありがたみも増したことだろう。
「最初は(そのいざこざが)自分のためだなんて気づかなかったんだけど、チームにはとても感謝している。自分たちの絆の深さや、いかにお互いの成功を、そしてチームとしての成功を願っているか、その気持ちを象徴していたように思う」
シーローは試合後、先輩たちの行為に感謝の気持ちを表わした。
「初めての得点はずっと記憶に残るものだ。僕もまだあの時のボールを持っている。彼にとっても、それを家に飾っておくことはきっと大きな意味を持つだろうからね」
そう自身の初得点に思いを馳せた大先輩ドンチッチのように、傑出したプレーヤーになることを目指して、シーローはNBAキャリアの第一歩を踏み出した。
文●小川由紀子
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ヴァンダービルトはその時のことをこう振り返る。
「彼は『(その行為を)報告するぞ』って言ってきたんだ。いったい何を言ってるんだと思ったよ。この審判は、自分に権力があることを見せつけたかったのか?ともかく、さっぱり訳がわからなかった。
これ(ルーキーに記念球をあげること)は俺がリーグに入るずっと前から行なわれていたことだ。それともあの審判は、自分がボールを家に持ち帰りたかったのか?」
そんないざこざを目にして、喧騒の輪に歩み出たのがヤニス・アデトクンボ。バックスの大エースは、チームスタッフが持っていた使用球のひとつを手に取ると、ドンチッチに渡した。
「いったい何が起こっているのかわからなかった。(兄の)タナシスに聞いたら『なんでかわからないけど、ルーキーにボールを渡さないらしい』と。俺もなぜ渡さないのかさっぱり理解できなかった。だから取りに行って、レイカーズ側に返したんだ」
そんなヤニスの行動に、オースティン・リーブスも「本当に品格を感じる」と感嘆していたというが、こうしてボールは無事、シーローの手に渡った。すったもんだはあったが、最終的には自軍の先輩たちのみならず、元MVPのスーパースターまでもが介入してくれたことで、一層ありがたみも増したことだろう。
「最初は(そのいざこざが)自分のためだなんて気づかなかったんだけど、チームにはとても感謝している。自分たちの絆の深さや、いかにお互いの成功を、そしてチームとしての成功を願っているか、その気持ちを象徴していたように思う」
シーローは試合後、先輩たちの行為に感謝の気持ちを表わした。
「初めての得点はずっと記憶に残るものだ。僕もまだあの時のボールを持っている。彼にとっても、それを家に飾っておくことはきっと大きな意味を持つだろうからね」
そう自身の初得点に思いを馳せた大先輩ドンチッチのように、傑出したプレーヤーになることを目指して、シーローはNBAキャリアの第一歩を踏み出した。
文●小川由紀子
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