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NBA

【コビー・ブライアント物語・Part2前編】シャックとのタッグで3連覇を達成も、確執でコンビは解散しチームも低迷へ

大井成義

2020.03.17

01年のシクサーズとのファイナルでは平均46・8分の出場で24.6点、7.8リバウンド、5.8アシストと多彩な働きでチームを連覇に導いた。(C)Getty Images

01年のシクサーズとのファイナルでは平均46・8分の出場で24.6点、7.8リバウンド、5.8アシストと多彩な働きでチームを連覇に導いた。(C)Getty Images

■シャックと微妙な関係になるが、プレーオフでは驚異の強さで連覇達成

 優勝が2人の関係改善の手助けをしてくれるだろう、そんな期待感が膨らんでいたが、物事は簡単に進まなかった。ミーティングの最中、シャックがコビーを公然と非難することも1度や2度ではなく、お互い目を合わせない時もあり、2人の微妙な関係は続いた。

 そういった懸念材料も、コビーの成長を妨げる要因にはならなかった。00-01シーズン、コビーのプレーは一段と冴え渡り、前年より6点多い平均28.5点をマークする。シャックもMVPを獲得した前年並みの数字を維持。レギュラーシーズンは前年より勝ち星を11減らしたが、シーズンの最終盤を8連勝で締めくくり、プレーオフでもファイナル進出まで無傷の11連勝。2か月近く負け知らずのレイカーズの連覇は、ほぼ確実と見られていた。

 ファイナルで相まみえたのは、コビーの地元フィラデルフィアを本拠地とするシクサーズ。この年のレギュラーシーズンMVPを受賞し、一足先にリーグのトップへと上り詰めたドラフト同期のアイバーソンとの対決は、大きな注目を集めた。コビーは引退後、“アイバーソンに強迫観念を抱いていた”と激白するほど、強烈なライバル心を抱いていた。
 
 初戦はアイバーソンの意地が勝り、シクサーズが勝利を収める。レイカーズの連勝はストップしたものの、その後4連勝を果たし、難なく2連覇を達成。レイカーズが記録したプレーオフ15勝1敗という戦績と勝率93.8%は、16-17シーズンにウォリアーズがマークした16勝1敗、勝率94.1%に次ぐ記録だ。シャックとの3度の優勝の中で、一番気に入っているのは2回目だと、後にコビーは語っている。

 このシーズン中、コビーの人生にとって最も重要な出来事があった。01年4月、ロサンゼルス郊外のダナポイントにあるローマカトリック教会で、極秘に結婚式を挙げたのだった。

 99年11月、コビーは自身のミュージックビデオの撮影時にヴァネッサ・レインと出会う。他のミュージックビデオのバックアップダンサーだったヴァネッサは、当時まだ17歳の高校生。コビーの一目惚れから交際は始まり、00年のプレーオフ中に婚約、翌年結婚へ。ヴァネッサ18歳、コビー22歳という若さだった。

 この結婚に父のジョーは猛反対し、最後まで認めなかった。2人ともまだ若すぎることと、ヴァネッサがアフリカン・アメリカンではないというのが、反対の理由とされている(ヴァネッサの両親はメキシコ系)。コビーの両親は結婚式に出席せず、後に初孫が生まれても数年間対面することはなかった。また、母はコビーのメモラビリアを許可なくオークションに出品したことで、コビーに訴えられている。その後関係改善はなされたようだが、コビーの引退試合に両親は姿を見せていない。
 
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