■シャックとジャクソンが退団し、自身が望んだエースの座に就任
この頃から、コビーの言動や容姿に変化が訪れ始める。それまでコビーはタトゥーを入れたことがなく、どちらかと言えば否定的な見解を示していた。ところが03-04シーズンのトレーニングキャンプに、右肩から肘にかけて大きなタトゥーを入れて姿を現わす。王冠、光輪、天使の羽、そして“ヴァネッサ”の文字。妻への忠誠の証であり、他に400万ドルのパープルダイヤモンドの指輪もプレゼントしたという。
“ブラックマンバ”というニックネームを自称するようになったのもこの頃だ。14年の『ニューヨーカー』誌で、映画『キル・ビル』から採ったとコビー本人は説明している。同作品は03年に公開されたクエンティン・タランティーノ監督のアクション映画。ユマ・サーマン演じる最強の女殺し屋のコードネームが、ブラックマンバだった。“マンバ”はコブラ科マンバ属の毒蛇の総称で、ブラックマンバはサバンナに生息し、世界で最も危険とされている。蛇の中でも特に動きが速く、トップクラスの殺傷能力を持つ。口の中が黒いことからその名が付けられた。
コビーはシーズン中であってもコロラドの裁判所に出頭しなければならず、試合当日に裁判所からアリーナに駆けつけたり、試合自体も何度か欠場しなければならなかった。平均得点を前シーズンより6点も落とし、他の数字も軒並みダウン。それでもプレーオフに入ると地力を見せ、順調に勝ち上がっていったが、ファイナルでピストンズに1勝4敗で大敗してしまう。
コビーとシャックの関係は、修復不能なまでに悪化してしまっていた。コビーはシャックと距離の近い記者を避け、シャックはコビーの足首にテーピングを施したトレーナーからの手当てを拒んだ。シーズン中、シャックはチームにトレードを要求している。
ファイナルの直前に出演した『ESPN』のラジオで、コビーは「チームの再建が必要だが、自分の望んでいない方向に行こうとしている。もし自分の望む方向に行かないのならトレードしてほしい」と語り、物議を醸した。
シーズン終了後、山が動き始めた。ファイナル終了直後の6月18日、ジャクソンHCの解任が決定。契約の更新にあたり、ジャクソンはそれまでの2倍のサラリーを要求したが受け入れられなかった。また、後に関係者が語ったところによると、ジャクソンはコビーがチームに留まるなら、自分は残りたくないとこぼしていたという。
そしてついに、最大にして最後の山が動く。シャックのトレード。シャックの要求するサラリーがあまりにも膨大な金額となり、これ以上賄い切れないと判断したフロントは、チームの将来をコビーとともに歩んでいくという決断を下す。3連覇の立役者3人のうち、レイカーズに残ったのはコビーただ1人になってしまった。だが、それこそが彼の望むものだった。
この頃から、コビーの言動や容姿に変化が訪れ始める。それまでコビーはタトゥーを入れたことがなく、どちらかと言えば否定的な見解を示していた。ところが03-04シーズンのトレーニングキャンプに、右肩から肘にかけて大きなタトゥーを入れて姿を現わす。王冠、光輪、天使の羽、そして“ヴァネッサ”の文字。妻への忠誠の証であり、他に400万ドルのパープルダイヤモンドの指輪もプレゼントしたという。
“ブラックマンバ”というニックネームを自称するようになったのもこの頃だ。14年の『ニューヨーカー』誌で、映画『キル・ビル』から採ったとコビー本人は説明している。同作品は03年に公開されたクエンティン・タランティーノ監督のアクション映画。ユマ・サーマン演じる最強の女殺し屋のコードネームが、ブラックマンバだった。“マンバ”はコブラ科マンバ属の毒蛇の総称で、ブラックマンバはサバンナに生息し、世界で最も危険とされている。蛇の中でも特に動きが速く、トップクラスの殺傷能力を持つ。口の中が黒いことからその名が付けられた。
コビーはシーズン中であってもコロラドの裁判所に出頭しなければならず、試合当日に裁判所からアリーナに駆けつけたり、試合自体も何度か欠場しなければならなかった。平均得点を前シーズンより6点も落とし、他の数字も軒並みダウン。それでもプレーオフに入ると地力を見せ、順調に勝ち上がっていったが、ファイナルでピストンズに1勝4敗で大敗してしまう。
コビーとシャックの関係は、修復不能なまでに悪化してしまっていた。コビーはシャックと距離の近い記者を避け、シャックはコビーの足首にテーピングを施したトレーナーからの手当てを拒んだ。シーズン中、シャックはチームにトレードを要求している。
ファイナルの直前に出演した『ESPN』のラジオで、コビーは「チームの再建が必要だが、自分の望んでいない方向に行こうとしている。もし自分の望む方向に行かないのならトレードしてほしい」と語り、物議を醸した。
シーズン終了後、山が動き始めた。ファイナル終了直後の6月18日、ジャクソンHCの解任が決定。契約の更新にあたり、ジャクソンはそれまでの2倍のサラリーを要求したが受け入れられなかった。また、後に関係者が語ったところによると、ジャクソンはコビーがチームに留まるなら、自分は残りたくないとこぼしていたという。
そしてついに、最大にして最後の山が動く。シャックのトレード。シャックの要求するサラリーがあまりにも膨大な金額となり、これ以上賄い切れないと判断したフロントは、チームの将来をコビーとともに歩んでいくという決断を下す。3連覇の立役者3人のうち、レイカーズに残ったのはコビーただ1人になってしまった。だが、それこそが彼の望むものだった。