■NBA史上2位の81得点を奪取するも、チームはプレーオフ1回戦止まり
迎えた04-05シーズン。心機一転、新たなスタートを切ろうと意気込んでいたコビーに、逆風は思いもよらぬところから吹いてきた。ジャクソンが10月に出版した著書『The Last Season』の中で、コビーを「コーチング不可能な選手」と痛烈に批判。世間のコビーバッシングに拍車をかけた。
コビーは前年に比べ、個人成績を引き上げてみせたものの、チームの勝利には結びつかなかった。コビーの意気込みとは裏腹に、レイカーズは34勝48敗と低迷し、11年ぶりにプレーオフ進出を逃してしまう。
シャックやジャクソンの力に頼らずとも、自分の力で王朝を復活させてやると息巻くコビーに対し、周りの反応は冷ややかだった。結果がすべての世界、コビー1人の力や熱意だけでは勝負に勝てない、そう思われても仕方がなかった。そしてついに、ジャクソン待望論が巻き起こる。
翌05-06シーズン、1年ぶりにジャクソンがHCに復帰する。過去のわだかまりを捨て、お互いに腹の中をさらけ出して話し合った。それで吹っ切れたのか、シーズンが始まるとコビーは凄まじいプレーを連発する。40点以上を記録すること27回、1月には驚異の81得点をマーク。伝説の巨人、ウィルト・チェンバレンの100点に次ぐ歴代2位の記録だった。
シーズン平均でもキャリア最高となる35.4点をマーク。平均35点以上を記録した史上4人目の選手となり、初の得点王に輝いた。チームは45勝37敗でプレーオフ復帰を果たしたが、レギュラーシーズンMVPを獲得したスティーブ・ナッシュ率いるサンズとの1回戦に、3勝4敗で惜敗する。
プレーオフの最中、ブライアント家に吉報が訪れた。06年5月1日、ヴァネッサが第2子となる女の子を出産し、ジアナと名付けられた。
06-07シーズンより、コビーは背番号を8から24に変更する。高校時代の最初の番号が24で、ルーキー時は使用されていた。8は、ABCDキャンプ時の背番号143を足した数字だった。
気分を新たに迎えたこのシーズンも、コビーの孤独な戦いは続いた。4試合連続を含む10回の50点以上を記録し、平均31.6点で2年連続となる得点王を獲得。42勝40敗でプレーオフ進出を果たしたが、再び1回戦でサンズに1勝4敗の惨敗を喫してしまう。孤軍奮闘しながらもサポーティングキャストに恵まれず、苛立ちを隠さないコビーと、なかなか結果の出ないチームに不満を募らせるレイカーズファン。それは、いつかどこかで見た風景だった。
文●大井成義
※『ダンクシュート』2020年4月号より転載
迎えた04-05シーズン。心機一転、新たなスタートを切ろうと意気込んでいたコビーに、逆風は思いもよらぬところから吹いてきた。ジャクソンが10月に出版した著書『The Last Season』の中で、コビーを「コーチング不可能な選手」と痛烈に批判。世間のコビーバッシングに拍車をかけた。
コビーは前年に比べ、個人成績を引き上げてみせたものの、チームの勝利には結びつかなかった。コビーの意気込みとは裏腹に、レイカーズは34勝48敗と低迷し、11年ぶりにプレーオフ進出を逃してしまう。
シャックやジャクソンの力に頼らずとも、自分の力で王朝を復活させてやると息巻くコビーに対し、周りの反応は冷ややかだった。結果がすべての世界、コビー1人の力や熱意だけでは勝負に勝てない、そう思われても仕方がなかった。そしてついに、ジャクソン待望論が巻き起こる。
翌05-06シーズン、1年ぶりにジャクソンがHCに復帰する。過去のわだかまりを捨て、お互いに腹の中をさらけ出して話し合った。それで吹っ切れたのか、シーズンが始まるとコビーは凄まじいプレーを連発する。40点以上を記録すること27回、1月には驚異の81得点をマーク。伝説の巨人、ウィルト・チェンバレンの100点に次ぐ歴代2位の記録だった。
シーズン平均でもキャリア最高となる35.4点をマーク。平均35点以上を記録した史上4人目の選手となり、初の得点王に輝いた。チームは45勝37敗でプレーオフ復帰を果たしたが、レギュラーシーズンMVPを獲得したスティーブ・ナッシュ率いるサンズとの1回戦に、3勝4敗で惜敗する。
プレーオフの最中、ブライアント家に吉報が訪れた。06年5月1日、ヴァネッサが第2子となる女の子を出産し、ジアナと名付けられた。
06-07シーズンより、コビーは背番号を8から24に変更する。高校時代の最初の番号が24で、ルーキー時は使用されていた。8は、ABCDキャンプ時の背番号143を足した数字だった。
気分を新たに迎えたこのシーズンも、コビーの孤独な戦いは続いた。4試合連続を含む10回の50点以上を記録し、平均31.6点で2年連続となる得点王を獲得。42勝40敗でプレーオフ進出を果たしたが、再び1回戦でサンズに1勝4敗の惨敗を喫してしまう。孤軍奮闘しながらもサポーティングキャストに恵まれず、苛立ちを隠さないコビーと、なかなか結果の出ないチームに不満を募らせるレイカーズファン。それは、いつかどこかで見た風景だった。
文●大井成義
※『ダンクシュート』2020年4月号より転載