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NBA

若手時代のシャックはマスコミ嫌いだった?高騰するサラリーへの持論と“苦い”マジック時代の思い出を語る

北舘洋一郎

2020.03.24

シャックはマジック在籍時を「空回りの時代」と評し、いい思い出はなかったと話す。(C)Getty Images

シャックはマジック在籍時を「空回りの時代」と評し、いい思い出はなかったと話す。(C)Getty Images

 これは誰かを名指しして厳しい言葉を述べたわけではなかったが、アーリーエントリー、そして若いプレーヤーの高額契約へ時代が流れていくことへの批判だった。

 ところが、当時のシャックの見解はまた違っていた。

「じゃあ、自分たちの生活の保障は誰がしてくれるっていうんだ。もしケガをしてプレーできなくなった時に、誰も俺を振り返らなくなるだろう。もちろん引退した後だってそうさ。NBAプレーヤーの平均キャリア年数は5、6年なんだぜ。それに球団だって、選手のことをどれだけ考えてくれているかなんてそれぞれに個人差も生まれるし、誰もわかりっこないし、だからといってそれが良いとか悪いとかそういう議論でもない。稼げる時に稼いでおかなければ、と選手はみんな思っている」
 
 キャリア後半から現在に至るまで、シャックは人を楽しませることが大好きで、スーパースターでありエンターテイナーでもあったが、マジック時代はあまり多くを語りたがらない選手だった。インタビューに答える声は口ごもるようにもそもそと小声で、大きな身体とは正反対なその様子を、のちにシャックは「わざとやっていた」と明かしている。いつもマスコミが彼の発言からゴシップ性のある言葉だけを選んで使い、世間が面白がるような趣旨にすべてすり替えられてしまうことが多かったからだ。

 シャックはマジック在籍時を「空回りの時代」と自ら評し、入団してすぐにチームを強豪へと変革したことにいい思い出はないと話す。

「勝てば球団の手柄、負ければ選手のせいにする。オーランドは、そういう場所だった。特にマスコミの対応が嫌いだった。多くのファンは味方だったが、なぜかマスコミは綻びを探してはそこに執着していた」

 この話をした時、マジックへの批判がエスカレートするシャックに対し、同席していたエージェントが「言い過ぎは止めろ」と制するも、シャックは笑いながらわざと話を続けようとして、エージェントをからかっていた。
 
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