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NBA

レイカーズでコビーを5年間指導したコーチが明かす、スーパースターの“裏の顔”と“最も嫌っていたもの”

ダンクシュート編集部

2020.04.21

コビーは“イエスマン”を嫌い、自分の信念や意見を持つ人間を求めていたという。(C)Getty Images

コビーは“イエスマン”を嫌い、自分の信念や意見を持つ人間を求めていたという。(C)Getty Images

「彼が最も望んでいなかったのは、周りに“イエスマン”(自分の意見を持たず、何を言われても賛成する人)がいること。自分の信念や意見を持つ人間、相手を侮辱せず、彼が聞きたかったことを言ってくれる人間を求めていた。彼はそれを本当に重要視していたと思う。たとえ彼が相手の話に同意しなかったとしても、その人の準備ができていれば、時間を費やしたことに彼は敬意を払った。逆に、(真剣に)時間を費やさない人間にはそれ(リスペクト)がなかったかもしれない。彼自身が何より全力だったからね」

 ビアラシェフスキー氏には、もうひとつ脳裏に焼き付いている出来事があるという。それが、コビーが左足アキレス腱を断裂した2013年4月12日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦だ。第4クォーター残り3分8秒、コビーはドライブを仕掛けた際に左足を負傷。激痛に耐えながらフリースロー2本を沈めてコートを去ったことは武勇伝として語り継がれているが、舞台裏では不屈の男も“1人の人間”だと感じさせるシーンがあったようだ。
 
「我々(レイカーズ)はシーズン終盤、コビー、パウ(ガソル)、ドワイト(ハワード)、スティーブ(ナッシュ)を擁して調子が良かった。ステイプルズ・センターのロッカールームはビデオルームの近くで、ドアがほとんどの時間で空いている。後ろから(当時)トレーナーのゲイリー・ヴィティが誰かとアキレス腱について話す声が聞こえてきた。意気消沈したのを覚えている。我々は良いタイミングでピークの状態を迎えていた。でも、試合後に目にしたのは、トレーニングルームで娘や妻の横で寝ている彼の姿だった。キャリアが終わるかどうか分からない状態で、ひどく落胆していた。彼の無防備で弱い一面を見たのはそれが初めてだった」

 語り尽きることのない、コビーのバスケットボール選手としての探求心と1人の人間としての素顔。今後も彼が残した功績とともに人々の記憶の中に刻まれ続けるに違いない。

構成●ダンクシュート編集部

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