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NBA

デュラント、アービングに次ぐスターを獲得するか、現有戦力で勝負に出るか。球団史上最も重要な2シーズンに挑むネッツの“ベストチョイス”は?

杉浦大介

2020.04.22

ルバート(左)やディンウィディー(右)を放出し、さらなるスターの獲得を目指すか。あるいは成長著しい彼らと来季も戦うか。ネッツの首脳陣は大きな決断が迫られる。(C)Getty Images

ルバート(左)やディンウィディー(右)を放出し、さらなるスターの獲得を目指すか。あるいは成長著しい彼らと来季も戦うか。ネッツの首脳陣は大きな決断が迫られる。(C)Getty Images

 グリズリーズの元バスケットボール部門副社長で、現在は『The Athletic』で記者として健筆を振るうジョン・ホリンジャー氏は、ネッツにはルディ・ゴベア、ブラッドリー・ビールがフィットすると指摘していた。

 ゴベアは確かに今のネッツに必要な守備の要になれる人材で、現状では同ポジションのジョーダン、アレンより攻撃力も上だろう。来季が契約最終年で、しかも新型コロナウイルスの一件で同僚のドノバン・ミッチェルとの間に亀裂が生じたという報道もあっただけに、トレード交渉の余地はありそうだ。

 ビールはプレースタイル的に、デュラント、アービングとのフィットは悪くないはず。特に今オフにFAになるジョー・ハリスが移籍した場合、26歳とキャリアのピークを迎えつつあるビールのシュート力はネッツにとって魅力的に映るに違いない。

 これらのスター選手を手に入れようと思えば、交換要員としてディンウィディー、アレン、ルバートのうちの少なくとも2人と、複数のドラフト1巡目指名権が必要になるだろう。ネッツのフロントは補強にそれだけの価値があるとみて、出血覚悟で積極的に交渉を仕掛けるか。あるいはもう一段下のラマーカス・オルドリッジ、バディ・ヒールドといった選手たちに狙いを定めるか。
 
 ただしその一方で、「ネッツはトレードを目論む必要はない」と指摘する声も出ていることは付け加えておきたい。なぜそんな意見があるかというと、今季キャリアハイの平均20.6点を残してきたディンウィディー、伸びしろの大きなルバートは、チームNo.3の座が務まるだけのポテンシャルを感じさせてきたからだ。特に残り3年で5260万ドルという手頃な契約を残しているルバートは、面白い素材に思える。今季は故障もあったが、先発復帰した2月3日以降は16試合で平均24.1点、3ポイント成功率41.3%、5.3アシスト、4.8リバウンドという堂々たる成績をマーク。3月3日のセルティックス戦ではキャリアハイの51得点、6日のスパーズ戦ではトリプルダブルを達成するなど、ハイレベルでプレーしていた。

 直近の2シーズンで67試合を欠場した故障の多さ、デュラントとの役割の被りに不安はあるものの、その将来性は魅力ではある。ネッツはまずは来季、デュラント、アービング、ルバート、ディンウィディーといった主軸が、一緒にどんなプレーするかを試してみるのも良いだろう。守備よくケミストリーが生まれれば、そのまま突っ走る可能性もある。アービングとディンウィディー、デュラントとルバートのポジションの被りがマイナスに働くようであれば、来季途中にトレードを考えればいい。

 絶対必勝のシーズンを前に、2人のスーパースターを擁するネッツはフレキシブルなチーム作りが可能な位置にいる。だからこそ、ショーン・マークスGM以下、フロントの仕事は極めて重要になってくる。先のシーズンを見据えてどのような決断を下し、どんな選手を獲得するか。その動向からしばらく目を離すべきではないだろう。

文●杉浦大介

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