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国内バスケ

【連載インタビュー】渡嘉敷来夢/前編「自分が30点取ってもチームを勝たせられなかったら、それはエースではないと思っています」

小永吉陽子

2020.05.13

桜花に入学した理由は、卒業生に代表選手が多かったことと、井上先生から「世界に羽ばたく選手に育てる」と熱く言われたことが決め手になった。写真:田中研治

桜花に入学した理由は、卒業生に代表選手が多かったことと、井上先生から「世界に羽ばたく選手に育てる」と熱く言われたことが決め手になった。写真:田中研治

――多くの強豪校から声がかかった中で桜花学園高に入学した理由は?

桜花には卒業生に日本代表選手が多かったのと、井上眞一先生はセンターを教えるのがすごくうまいと聞いていたので、憧れがありました。あとは井上先生の思いが熱かったですね。「君は絶対にスーパースターになる」と言われて、「なに、その口説き文句(笑)」と思ったけど、「君は世界に羽ばたく選手になれるし、世界に羽ばたく選手に育てる」と強く言われて、その一言が響きました。親は近場の関東の高校に行ってほしいと言っていましたが、どうせ本気でやるなら、親元を離れてやるほうが自分のためになると思ったので、自分の意見を優先して決めました。

高校を決めるときにすごくありがたかったのが、他の高校の先生たちも「うちに来てほしい気持ちはあるけど、あなたは日本の宝だからしっかりと話を聞いて決めたほうがいいよ」と言ってくれたことです。いろんな先生方が自分のことを本当に考えてくれたのを、今でもすごく覚えています。

――桜花学園でも好奇心旺盛なところを発揮していたのでしょうか?

めちゃめちゃ、やんちゃで負けず嫌いでしたね(笑)。それは小学校のときから変わってないです。ほかの生徒に比べてバスケ部はみんな元気でやんちゃでした。授業中もうるさくて「バスケ部でもとくに渡嘉敷さんは……」とよく怒られていました(笑)。それでも井上先生は「渡嘉敷はやんちゃさをつぶしたらダメになる。バスケでそのやんちゃなところを生かしてほしい」と言ってくれました。
 
――桜花学園で学んだことで今に生きていることは何ですか?

桜花って基礎的なことを反復練習で叩きこむんですよ。中学までは運動神経を生かしてしてやっているところがあったので、桜花でしっかりとセンタープレーを学んだことが今につながっていますね。あと、いちばん学んだことは、井上先生にずっと言われていたことなんですけど「エースとしての自覚を持つこと」「どんなにすごい選手になっても天狗になるな」ということです。

自分、こんな感じでやんちゃですけど、けっこう考えこんでしまったり、ちょっと遠慮してしまうところもあるんですね。それは井上先生から言われた「天狗になるな」という教えがあるからかもしれません。これは初戦で負けた2年の国体のときに言われたのですが、「お前が30点、40点取ってもチームを勝たせられなかったら、それはエースでもスーパースターでもない」と。名言ですよね。その言葉は、いつでも頭の片隅にあります。
 
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