シェリダン：私もまったく予想はしていなかった。ただ、アービングのように気まぐれな選手がいるチームだから、何が起こっても驚くべきではなかったのかもしれない。過去に所属したチームでも、「アービングは指導するのも、一緒にプレーするのも、容易ではない選手」という声があったくらいだ。この件が改めて教えてくれたのは、グレッグ・ポポビッチ（スパーズＨＣ）、エリック・スポールストラ(ヒートＨＣ)といった限られた例外を除き、どんなＨＣも安泰ではないということ。鍵になる選手が不満を持った場合、通常、割りを食うのはコーチの方なんだ。

スプラング：スーパースターを獲得したチームが、それまでと違う体制に変えるのはよくあることだよね。アービング、デュラントを手に入れたネッツは、スター選手の扱いに慣れたコーチを雇用するんじゃないかな。少し大胆な予想に思えるかもしれないけれど、僕はネッツの次期ＨＣはマイク・ダントーニじゃないかと考えている。ダントーニは今季がロケッツとの契約最終年だ。プレーオフでロケッツが期待外れの成績に終わった場合は、来季はネッツの指揮を執ることも十分あり得る。
  杉浦：クリスは去年からマジックを高く買っていたけど、今季はどう？

シェリダン：マジックはネッツを抜いて７位に浮上するかもしれないし、１回戦では厄介なチームだろう。短期決戦ではセンターのニコラ・ヴュチェビッチがフル回転するだろうし、シックスマンのテレンス・ロスも好調時には怖い選手だ。ヒートのような上位チームと対戦しても、敵地での第１、２戦のどちらかを勝ってヒヤリとさせる可能性はある。もっとも、実際に７戦シリーズで番狂わせを起こせるかと問われたら、そこまでは推せないが。

スプラング：ラプターズと対戦した場合は、去年のように第１戦は勝つかもね。もともとラプターズはプレーオフ初戦でよく負けるし（笑）。

杉浦：プレーオフ圏内にいる８チームの話をしてきたけど、他にシーズン終了までにサプライズチームになりそうなチームはある？現在、９位以下はウィザーズ、ホーネッツ、ブルズ、ニックス、ピストンズ、ホークス、キャバリアーズと続いているけど。

シェリダン：いや、ないな。９位以下はどれも現時点では良いチームとは言えない。

スプラング：プレーオフの座席はほぼ固定され、残念ながらイーストのレギュラーシーズン終盤は盛り上がりに欠けるものになるだろう。