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NBA

シャックがコビーとの“最強デュオ”を回顧。「リーグを支配」するきっかけとなった大一番に選んだのは?

ダンクシュート編集部

2020.06.07

天下分け目の大一番でシャックは18得点に終わったが、最終クォーターだけで9得点を奪取。最後はコビーからのパスをアリウープで叩き込み、ファイナル進出を決めた。(C)REUTERS/AFLO

天下分け目の大一番でシャックは18得点に終わったが、最終クォーターだけで9得点を奪取。最後はコビーからのパスをアリウープで叩き込み、ファイナル進出を決めた。(C)REUTERS/AFLO

 2000年6月4日にホームのステイプルズ・センターで行なわれた第7戦も、シャックはサボニス、ウォーレスの守備に苦戦。レイカーズは13点のビハインドを背負って最終クォーターを迎えた。

「俺たちは失敗にうんざりしていた。みんなも『ああ、アイツらは良い年を過ごしたけど、また失敗した』と思う。その試合(最終戦)に勝てなければ、俺は間違いなくスケープゴート(生贄)にされて、すぐにチームを去っていただろうね。レイカーズで優勝できないまま終わってしまうかもしれないと、俺は怖くなった。そして、『コビー対シャック』の確執が頭をよぎった。みんなを失望させてしまうと感じたんだ」

 猛攻を見せたレイカーズは一気に逆転。83-79で迎えた第4クォーター残り52秒の攻撃でその瞬間は訪れた。トップの位置でタイミングを見計らっていたコビーがピッペンを置き去りにしてドライブ。ブライアン・グラントがカバーに来たところで、コビーがアリウープパスを送り、シャックが豪快なワンハンドダンクを叩き込んで勝負を決めた。

「第4クォーター、俺は少しずつ調子を取り戻し始めて、コビーに声をかけたんだ。『おい、俺はゴール下でがら空きだ』ってね。彼は『分かった、分かった』と言っていた。ラストプレーで俺はまったくボールを要求しなかった。第4クォーターになったら、コビーがシュートを打ちたがるのは知っていたからね。俺はコビーにボールを託して、スペースを空けた。すると、彼はクロスオーバーでピッペンを抜いて、ボールを投げた。その瞬間、『これはシュートじゃない』と思った。俺は即座に飛んでボールをそのままリングに叩き込んだ。俺たちによる支配が始まった瞬間だった」
 
 ブレイザーズとは翌2001年、02年もプレーオフ1回戦で対戦したが、いずれもスウィープ(3連勝)勝ち。圧倒的な強さで3連覇を達成している。ピッペンは今年4月、「もうキャリアでタイトルのチャンスはないと思い知らされた。彼らはリーグを支配していた。(ブレイザーズは)タレントが揃ったいいチームだったけど、シャック&コビーを止められなかった。1998年以降では彼らがベストデュオだろうね」とシャック&コビーを称賛した。シャックも“最強デュオ”を自負する発言でインタビューを締めくくっている。

「俺とコビーは、最もミステリアスで、最も物議を醸し、最も支配的なワンツーデュオだった。周りの人間は、常に俺たちの関係について尋ねた。自分のやり方で戦う強い意志を持った選手が2人いたわけだからね。リスペクトが失われることは決してなかった。コートの中に入れば、ただ勝つために戦う。それが俺たちがやったことさ」

 今年1月、ヘリコプター墜落事故でコビーが急逝するショッキングな出来事に見舞われたが、レイカーズとNBAの歴史を変えた“シャック&コビー”のデュオは、永遠にファンの心の中で生き続けるだろう。

構成●ダンクシュート編集部

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