ストックトンの見解はこうだった。
「リーグがパンクスのようになってきていることが心配だ。トラッシュトークや、これ見よがしな態度をとる連中が多くなっている。これらは、マジック・ジョンソン(元レイカーズ)とラリー・バード(元ボストン・セルティックス)が登場する前に、NBAを腐敗させていたものだ。こうした傾向には歯止めをかけるべきだよ」
“魅せる”要素も確かに大事だ。だが、21世紀に入ってからのNBA選手はそのことばかりに気をとられ、基本の重要さをないがしろにする傾向があった。
その結果、試合の質は低下し、それにつれて一時は人気や国際的な競争力も落ちてしまっていた。“真のプロフェッショナルとはどういうものか”をストックトンとマローンは示していたのであり、後輩たちがそれに気づいたからこそ、NBAは以前の活気を取り戻したのだ。
彼らに対するもうひとつの批判は、最終目標である優勝にまでチームを導けていないことだった。レギュラーシーズンでは好成績を残すユタ・ジャズも、プレーオフでは毎年のように敗退。1992、94、96年と、3度ウエスタン・カンファレンス決勝に進んだが、いずれも力及ばず敗れ去った。
30歳を過ぎてからは、年齢的な限界も取りざたされ始める。新シーズンが始まるたびに「ストックトンもマローンももう年だ。ユタに優勝のチャンスはない」と言われ続けた。
■年齢を重ねてもなお輝き続けたスーパーデュオ
しかし、ついにチャンスは巡って来た。
マローンが初のMVPを受賞した1996-97シーズン、4度目の挑戦にして初のカンファレンス制覇を果たす。ヒューストン・ロケッツとのウエスト決勝第6戦で、劇的な決勝シュートを沈めたのはストックトンだった。普段冷静な男が、この瞬間ばかりは全身で喜びを表現した。
ファイナルでも、ジャズは全盛期のブルズと互角に戦った。第2戦以外は、すべて終盤まで帰趨のわからない接戦となった。結局2勝4敗で敗れたものの、ブルズの6度の優勝のなかで、彼らを最も苦しめたのがこの年のジャズだったのは間違いない。
「リーグがパンクスのようになってきていることが心配だ。トラッシュトークや、これ見よがしな態度をとる連中が多くなっている。これらは、マジック・ジョンソン(元レイカーズ)とラリー・バード(元ボストン・セルティックス)が登場する前に、NBAを腐敗させていたものだ。こうした傾向には歯止めをかけるべきだよ」
“魅せる”要素も確かに大事だ。だが、21世紀に入ってからのNBA選手はそのことばかりに気をとられ、基本の重要さをないがしろにする傾向があった。
その結果、試合の質は低下し、それにつれて一時は人気や国際的な競争力も落ちてしまっていた。“真のプロフェッショナルとはどういうものか”をストックトンとマローンは示していたのであり、後輩たちがそれに気づいたからこそ、NBAは以前の活気を取り戻したのだ。
彼らに対するもうひとつの批判は、最終目標である優勝にまでチームを導けていないことだった。レギュラーシーズンでは好成績を残すユタ・ジャズも、プレーオフでは毎年のように敗退。1992、94、96年と、3度ウエスタン・カンファレンス決勝に進んだが、いずれも力及ばず敗れ去った。
30歳を過ぎてからは、年齢的な限界も取りざたされ始める。新シーズンが始まるたびに「ストックトンもマローンももう年だ。ユタに優勝のチャンスはない」と言われ続けた。
■年齢を重ねてもなお輝き続けたスーパーデュオ
しかし、ついにチャンスは巡って来た。
マローンが初のMVPを受賞した1996-97シーズン、4度目の挑戦にして初のカンファレンス制覇を果たす。ヒューストン・ロケッツとのウエスト決勝第6戦で、劇的な決勝シュートを沈めたのはストックトンだった。普段冷静な男が、この瞬間ばかりは全身で喜びを表現した。
ファイナルでも、ジャズは全盛期のブルズと互角に戦った。第2戦以外は、すべて終盤まで帰趨のわからない接戦となった。結局2勝4敗で敗れたものの、ブルズの6度の優勝のなかで、彼らを最も苦しめたのがこの年のジャズだったのは間違いない。