1990年代中盤はアンファニー・“ペニー”ハーダウェイ(元オーランド・マジックほか)のシグネチャーシューズとなる『エア・ペニー』も含め、『エア・ジョーダン』を頂点とする選手専用モデルがいくつかあった。しかし、それらはコンシューマーに対して選手の人気が最優先で伝えられ、機能性はどうしても後からついてくるものになっていた。
そんななかで開発されたアップテンポシリーズは、恵まれたサイズにガードのような俊敏性とスピードを兼ね備えた選手に向けたシューズであり、そのコンセプトイメージは言うまでもなくピッペンである。同シリーズのように機能性を全面に押し出し、その上でシューズの特徴にフィットした選手を打ち出すという手法は、本来スポーツメーカーがずっと続けてきたマーケティングだ。
「モアアップテンポを僕が履いたことで、シューズの側面に大きく“AIR”とデザインされたポップなイメージはNBAでも話題になった。自分のシグネチャーシューズをどういうデザインにしようかとプロジェクトが始動した時に、シンプルでクリーンなイメージでいこうとなり、それが決まった状態でアップテンポを履くことになったんだけど、僕のなかで『1シーズンはこういう派手なデザインでも面白い』と思ったんだ」と、初代シグネチャーシューズがローンチされるタイミングでピッペンはこう語っていた。
ピッペン本人の人気の理由と同じように『エア・ピッペン』も玄人好みとなったのは事実だろう。当時「ピッペンが好き」というファンは、かなりのバスケ玄人だ。
「シグネチャーのシンプルなデザインは、自分の好きだったクラッシックカーからインスパイアさせた。その頃の多くのシューズは、足し算の繰り返しのようなデザインが主流だったから『あえて引き算の発想で』と話し合ったんだ」とピッペンは言う。
彼のような不言実行タイプの選手は、リーグ史を振り返ってもそれほど多くはなく、どちらかといえば口の立つプレーヤーの方が目立っていた。シグネチャーモデルのコンセプト、そして出来上がってくるデザインは、面白いものでその選手を鏡のように映し出したものになるのだ。
「20年以上経っても色褪せず、今の子どもたちが自分の現役時代に興味を持ってくれるのは嬉しい」と、ピッペンは今回の『エア・モアアップテンポ』の復刻を心から喜んでいた。
文●北舘洋一郎
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そんななかで開発されたアップテンポシリーズは、恵まれたサイズにガードのような俊敏性とスピードを兼ね備えた選手に向けたシューズであり、そのコンセプトイメージは言うまでもなくピッペンである。同シリーズのように機能性を全面に押し出し、その上でシューズの特徴にフィットした選手を打ち出すという手法は、本来スポーツメーカーがずっと続けてきたマーケティングだ。
「モアアップテンポを僕が履いたことで、シューズの側面に大きく“AIR”とデザインされたポップなイメージはNBAでも話題になった。自分のシグネチャーシューズをどういうデザインにしようかとプロジェクトが始動した時に、シンプルでクリーンなイメージでいこうとなり、それが決まった状態でアップテンポを履くことになったんだけど、僕のなかで『1シーズンはこういう派手なデザインでも面白い』と思ったんだ」と、初代シグネチャーシューズがローンチされるタイミングでピッペンはこう語っていた。
ピッペン本人の人気の理由と同じように『エア・ピッペン』も玄人好みとなったのは事実だろう。当時「ピッペンが好き」というファンは、かなりのバスケ玄人だ。
「シグネチャーのシンプルなデザインは、自分の好きだったクラッシックカーからインスパイアさせた。その頃の多くのシューズは、足し算の繰り返しのようなデザインが主流だったから『あえて引き算の発想で』と話し合ったんだ」とピッペンは言う。
彼のような不言実行タイプの選手は、リーグ史を振り返ってもそれほど多くはなく、どちらかといえば口の立つプレーヤーの方が目立っていた。シグネチャーモデルのコンセプト、そして出来上がってくるデザインは、面白いものでその選手を鏡のように映し出したものになるのだ。
「20年以上経っても色褪せず、今の子どもたちが自分の現役時代に興味を持ってくれるのは嬉しい」と、ピッペンは今回の『エア・モアアップテンポ』の復刻を心から喜んでいた。
文●北舘洋一郎
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