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NBA

ラトレル・スプリーウェル、“破壊的な性格“が露わになった1994年の事件【NBAレジェンド列伝・前編】

出野哲也

2020.07.06

 同シーズンは平均21.0点、4.7アシスト、2.20スティールをマークし、オールスターに初出場しただけでなく、オールディフェンシブ2ndチーム、そしてオールNBA1stチームにも選出。プロ入り当初は正確に名前を読まれることすら稀だったスプリーウェルの躍進は、まさしくシンデレラ・ストーリーだった。

 ところが、ウォリアーズはその年のオフにウェバーとビリー・オーウェンスをトレードする。チームで最も仲の良かった2人が放出されたことで、スプリーウェルは首脳陣に対して不信感を募らせ、シューズに2人の背番号を書き入れて抗議の意を鮮明にした。
 
 ネルソンHCに目をかけられているティム・ハーダウェイとの軋轢も深まり「あのゴマすり野郎とは一緒にプレーできない」と発言。「私は彼を友人だと見なしているのだがね。彼の方はどうもそうは思っていないようだ」とネルソンは溜め息交じりにそう話すと、試合中もふて腐れた態度でファンの反感を買い、ついにはチームから出場停止処分を下されてしまった。

 スプリーウェルがどこかおかしいことに周囲が気づき始めたのは、1994年10月に起こったある事件がきっかけだった。彼の飼っていたブルドッグが4歳の娘に襲いかかり、耳の一部を噛みちぎったのだが、それに対する彼の反応は「まあ、こんなこともあるさ」。親としての愛情、人間らしい感情が明らかに欠けているようで、その翌年には免停中にスピード違反で捕まったあげく、彼を逮捕したアジア系の警察官に人種差別的な言葉を吐くなど、問題行動は悪化の一途を辿っていった。(後編に続く)

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2012年2月号掲載原稿に加筆・修正。

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