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NBA

【プレーオフ激闘録】1994年ファイナルはニックスが先に王手。しかし最終戦で頼みのスタークスが…|後編

ダンクシュート編集部

2020.08.21

オークリーは第4戦で16点、20リバウンドと活躍しチームに勝利をもたらす。シリーズでも平均11.9リバウンドと健闘したが、オラジュワンを封じることはできず。(C)Getty Images

オークリーは第4戦で16点、20リバウンドと活躍しチームに勝利をもたらす。シリーズでも平均11.9リバウンドと健闘したが、オラジュワンを封じることはできず。(C)Getty Images

 2勝2敗で迎えた第5戦。第2クォーターの途中、タイムアウトと同時にテレビ画面がロサンゼルスのハイウェイを走る車の映像に突如切り替わる。1970年代NFLのスーパースター、OJ・シンプソン追跡劇の緊急ライブ中継だった。数日前、前妻とその友人を殺害したとされるシンプソンが、友人の運転する大型四輪駆動車の後部座席で自分の頭に銃を突きつけ、母親のいる実家へ向かわせているのだという。

 白いフォード・ブロンコを何台ものパトカーが一定の距離を置いて追う様子を、ヘリコプターから捉えたシュールな映像は、その後何度も映し出され、終いにはファイナルの放送を10分近く中断して強行中継。当時の3大ネットやCNNなどほぼ全局が緊急中継し、トータルするとその年のスーパーボウルを上回る視聴者数だったそうだ。
 
 第3クォーターを終えてスコアは61-61のタイ。もつれた試合をモノにしたのは、ホームのニックスだった。第3、4戦を合わせたFGが17/57(29.8%)と、不調に喘いでいたユーイングが勝利の立役者となった。この日は25得点、12リバウンドを記録し、加えて8ブロックは当時のファイナル・タイ記録。これでニックスが3勝2敗と優勝に王手をかけ、21年ぶりの王座奪還と歓喜の瞬間はすぐ目の前に迫っていた。

■頼みのスタークスが絶不調。ニックスは逆転で大魚を逃す

 ヒューストンに戻っての大一番。前半をロケッツが10点のリードで終えると、後半はニックスが盛り返し、スタークスが第4クォーターだけで16点と爆発する。ニックス2点ビハインドで迎えた運命のラストショット、残り1.5秒でスタークスが放った逆転の3ポイントを、オラジュワンが起死回生の指先ブロック。劇的なエンディングの興奮そのままに、勝負は最終第7戦へ。
 

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