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NBA

必勝を課されたロス五輪でジョーダン、ユーイングらが躍動。金メダル奪回も、競技とは無縁の部分で以降の大会に弊害が…

出野哲也

2020.09.11

 トライアウトで特に目立っていた選手は2人。1人はジョーダン、もう1人はオーバーン大のずんぐりむっくりのフォワード、チャールズ・バークレー(元フィラデルフィア・シクサーズほか)である。

 同じくトライアウトに参加したレオン・ウッド(カリフォルニア州大フラートン校→元ニュージャージー/現ブルックリン・ネッツほか)曰く「最初の1週間、バークレーはほかの選手を完全に圧倒していた」。だが「ナイトに減量しろと言われたのに、あいつは次の週に逆に体重を増やしてきたんだ。ナイトに何か月も黙って従うつもりはなかったんだろう」とも話しており、バークレー自身も「俺の目的はオリンピックじゃなくて、ドラフトの指名順位を上げることだけだった。だいたい俺はボブ・ナイトなんて嫌いだったしな」と認めていた。

 三次選考で望み通り(?)バークレーは外されたが、関係者のなかには「ソ連がボイコットしなかったら、勝つために不可決なプレーヤーだった」との証言もある。バークレーと同じく最後の20名まで残りながら落選した選手には、オーバーン大でバークレーの1学年下だったチャック・パーソン(元インディアナ・ペイサーズほか)や、ゴンザガ大の無名ガード、ジョン・ストックトン(元ユタ・ジャズ)もいた。
 
■ジョーダン、ユーイングら未来のNBAスターが集結

 選ばれた12名は、金メダルを奪回するに十分な顔ぶれだった。ユーイング、ジョーダン、パーキンス、ティスデール、ウッドに加え、セントジョンズ大の好シューターであるクリス・マリン(元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか)、好守が売り物のアルビン・ロバートソン(アーカンソー大→元サンアントニオ・スパーズほか)らもメンバー入り。インディアナ大1年のスティーブ・アルフォード(元ダラス・マーベリックスほか)が入ったのは、ナイトとほかの選手たちの潤滑油としての期待込みで、選考委員の1人だったラデル・アンダーソン(ブリガムヤング大HC)は「アルフォードがナイトの教え子でなかったら、代わりにストックトンが代表になっていたはずだ」と明かしている。
 
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