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NBA

必勝を課されたロス五輪でジョーダン、ユーイングらが躍動。金メダル奪回も、競技とは無縁の部分で以降の大会に弊害が…

出野哲也

2020.09.11

 いずれにしろ、バークレーやストックトンがいなくてもアメリカ代表は無敵の強さを見せつけた。予選ラウンド初戦で中国を97-49とほぼダブルスコアで下すと、ウルグアイは36点、フランスには58点もの大差をつけた。

 スペインとの予選ラウンド最終戦では、後半開始4分時点でリードは3点のみと若干苦戦していたものの、ジョーダンが足首を痛めながらも24得点をあげる活躍を披露。最終的に33点差をつけ、全勝で問題なく勝ち抜いた。

 一番の接戦となったのは、西ドイツとの決勝トーナメント初戦だった。同国にはデトレフ・シュレンプ(元シアトル・スーパーソニックス/現オクラホマシティ・サンダーほか)、ウーヴェ・ブラブ(元マーベリックスほか)、クリス・ヴェルプ(元シクサーズほか)と将来のNBA選手が3人も所属。なかでもエースのシュレンプは、ワシントン大時代にオールカンファレンスチームに名を連ね、NBA入り後もオールスターに3度出場した好プレーヤーだった。

 予選ラウンドのブラジル戦でシュレンプは36得点を奪い、このアメリカ戦でも16得点と健闘。しかし17得点をあげたアルフォードの活躍もあり、アメリカが78-67で勝利を収めた。
 
■圧倒的強さで頂点に立つも、以降の五輪は商業色が濃くなる

 準決勝では、20得点を稼いだマリンを中心にカナダに快勝。迎えた頂上対決はスペインとの再戦となる。

 モスクワ大会の優勝国ユーゴスラビアを準決勝で破る番狂わせを演じたスペインだったが、アメリカの敵ではなかった。ジョーダンが20得点をあげるなど序盤から圧倒し、31点差で大勝。8年ぶりに金メダルを取り戻した。また、スペインでチーム最多の16得点をマークしたアンドレス・ヒメネスは、1992年のバルセロナ五輪でも再びジョーダンらと顔を合わせることになる。

 大会を通じて、アメリカのフィールドゴール成功率は55.7%。これは統計を取り始め
てから最高の数字で、対戦相手は38.9%、平均で32点差をつける圧倒的強さだった。ジェリー・ウエスト(元ロサンゼルス・レイカーズ)やオスカー・ロバートソン(元シンシナティ・ロイヤルズ/現サクラメント・キングスほか)のいた、1960年ローマ五輪以来の最強チームと呼ばれたのも納得と言える。
 
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