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NBA

スパーズで2度の頂点を経験した好漢、マリーク・ローズが選手たちとの"橋渡し役"に。彼の多彩なキャリアとは?

杉浦大介

2020.09.16

09年の引退後も様々な形でNBAに関わり続けるローズ。6月にはNBAのバスケットボール部門副部長に就任した。(C)Getty Images

09年の引退後も様々な形でNBAに関わり続けるローズ。6月にはNBAのバスケットボール部門副部長に就任した。(C)Getty Images

■現役引退後は様々な仕事を経験し、リーグから白羽の矢を立てられる

 目立った長所のないアンダーサイズ(201㎝)のパワーフォワードがなぜこれほどの人気を得たのかといえば、自身の聡明さをディフェンスと汚れ役に生かす機転を持っていたからだろう。ニックス移籍以降は、低迷中のチームで若手の模範として存在感も示した。プロ意識が高く、リーダーシップの塊のような選手だった記憶が残っている。

「ずっとフロントオフィスの仕事がしたいと思っていた」

 そう言っていたローズは、09年の現役引退後も様々な形でNBAに関わり続ける。11年からフィラデルフィア・セブンティシクサーズのテレビ解説者を務め、15年にアトランタ・ホークスのバスケットボール部門マネージャーに就任。17年には傘下のGリーグチーム、エリー・ベイホークスのゼネラルマネージャー(GM)を任され、17-18シーズンの最優秀エグゼクティブに選出された。この働きが認められ、18年にはデトロイト・ピストンズのアシスタントGMに就任し、今夏まで職務にあたっていた。

 このように多くの経験を積み上げた後で、人望の厚いローズがNBAから目をつけられたのは実に理に適っているように思える。今後、ローズはリーグとチーム、選手たちがより良い関係を築き、NBAをさらに向上させるために尽力していくことになる。
 
 NBAが変化を恐れない革新的なリーグであることは、全世界が新型コロナウイルスに苦しんでいるなかで壮大な“バブル計画”を実行に移したことで改めて証明された。そんなリーグに、海千山千の45歳はどんなアクセントを添えるのか。彼のこれまでのキャリアを見る限り、この役職でも力を発揮し、近い将来リーグ内でさらに大きな役割を任されるようになっても不思議はないように思えてくる。

◆PROFILE
1974年11月23日、ペンシルバニア州フィラデルフィア生まれ。ドレクセル大を卒業した96年のNBAドラフトで、ホーネッツから2巡目44位で指名され入団。1年目のオフに解雇されるもスパーズと契約。201㎝、113㎏とPFとしてはアンダーサイズだったが、ティム・ダンカンのバックアップとして99年、2003年の優勝に貢献した。04-05シーズンの途中にニックスにトレードされ、サンダー移籍後の09年に引退。現役時代の通算成績は813試合出場、平均6.2点、4.1リバウンド。引退後はテレビ解説者、ホークスのバスケットボール部門マネージャー、Gリーグのエリー・ベイホークスのGMを経て、18年にピストンズのアシスタントGMに就任。20年6月22日、NBAのバスケットボール部門副部長に就任した。

文●杉浦大介
※『ダンクシュート』2020年9月号原稿に加筆・修正

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