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NBA

コンビ解消後にMVPに輝いたノビツキーとナッシュ。2人の夢は叶わなかったが、固い友情は今も変わらず【NBAデュオ列伝|後編】

出野哲也

2020.11.05

2004年のナッシュの移籍によってコンビは6年で解散。しかし両者は成長を続け、ナッシュは05、06年、ノビツキーは07年にMVPに選ばれた。(C)Getty Images

2004年のナッシュの移籍によってコンビは6年で解散。しかし両者は成長を続け、ナッシュは05、06年、ノビツキーは07年にMVPに選ばれた。(C)Getty Images

■別離を余儀なくされるがともにMVPを受賞

「離れ離れになって、彼らは変わることを強いられたのさ。2人にとっては、これで良かったんだ」。長年のチームメイトであり、2人の良き友人でもあったマイケル・フィンリーが語ったように、別々の道を歩み始めた04-05シーズン、2人はより一層の成長を遂げた。

 ナッシュがいなくてもこれまでのようなプレーを続けられるのかというファンの疑問に、ノビツキーは自己最多の平均26.1点で答えた。MVP投票では3位、初めてオールNBA1stチームにも選ばれた。リーダーとしての自覚も芽生え、チームメイトを叱咤する光景も見られるようになった。名実共にマーベリックスの顔となったのだ。

 ナッシュの活躍はそれ以上だった。ショーン・マリオンやアマレ・スタッダマイヤーらを面白いように操り、リーグトップの11.5アシストをマーク。開幕前はプレーオフにいけるかどうかと言われるほど評価が低かったサンズをリーグ最高勝率に輝き、ポイントガードとしては史上4人目となるMVPを受賞した。表彰式が執り行なわれたのは、奇遇にもマーベリックスとのカンファレンス準決勝第1戦でのことだった。サンズの勝利に終わった試合後、敵チーム同士の2人はメキシカン・レストランで受賞を祝っていた。
 
 このシリーズのナッシュの活躍は驚異的だった。最初の3戦で合計43アシストと完璧なプレーメイキングを見せつけると、第4戦ではキャリアハイの48点。第5戦では、34点、12アシスト、13リバウンドのトリプルダブルを達成。第6戦でも39点、12アシスト、9リバウンド。オーバータイムに持ち込む同点の3ポイントを決めたのも、カンファレンス決勝進出を決める2本のフリースローを沈めたのもナッシュだった。

 シリーズを通しての成績は平均30.3点、12.0アシスト。「シリーズが始まる前は疑問に思っていたんだが、今では確信しているよ。彼こそがMVPだ」(マーベリックスのジェリー・スタックハウス)との意見に誰もが頷いた。

 ノビツキーも平均26.5点、11.5リバウンドと健闘したが、出来の悪いチームメイトを批判して反感を買ったり、無理なシュートを試みてミスしたりと、気合が空回りしていた感があった。05-06シーズンも2人の活躍は続いた。フィンリーの退団で弱体化したマーベリックスをノビツキーはカンファレンス2位の60勝に導いた。平均26.6点、3ポイント成功率40.6%、FT成功率90.1%はいずれもキャリア最高。MVP投票では前年に続いて3位に入った。
 

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