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NBA

サッカーだけじゃない!バスケでも強豪の地位を築くバイエルン、補強戦略はNBAの“Gリーグ化”?

小川由紀子

2020.11.27

 しかし2000年代の後半からバスケットボール部門を強化する方針を打ち出し、2011-12シーズン、ついに国内のトップリーグに復帰。当時首位を独占していたブローゼに追いつけ追い越せと強化に励み、復帰から3年目の13-14シーズン、59年ぶりにドイツの頂点に返り咲いた。そこからは欧州最高峰の舞台であるユーロリーグやユーロカップに毎年参戦し、ヨーロッパのエリート集団の一角を担っている。

 バイエルンが復活するにあたって強化の柱のひとつとなったのが、アメリカ人選手の重用だったわけだが、そもそもドイツリーグはイスラエルに次いでアメリカ人選手の数が多いことで知られる。外国人枠は、登録枠が12人の場合、6人がドイツパスポートを保持している選手、6人が外国籍選手、という『6+6ルール』を採用している。面白いのは、ロースターの人数が11人、10人、と減った場合に少なくなるのはドイツ人選手の数で、いずれの場合も外国籍選手の数は6人に据え置かれることだ。

 おのずと出場機会が得やすいことから、一昨季のデリック・ウィリアムズ(現バレンシア/スペイン)や昨季のグレッグ・モンロー(現ヒムキ/ロシア)のように、ドイツをヨーロッパでのキャリアの出発地点にする元NBA選手も近年増えている。
 
 出場機会とともに、もうひとつの大きな魅力は、責任ある役割を担えるチャンスがあること。スペインのレアル・マドリーやバルセロナ、ロシアのCSKAモスクワ、ギリシャの2強パナシナイコスやオリンピアコスといった欧州きっての強豪では、主要ポストは母国のトッププレーヤーたちが占め、アメリカから来た若手のチャンスは限られる。しかしバイエルンのようなクラブでは逆に、彼らはエース級として迎えられるのだ。

 現チームの司令塔であるボールドウィンがまさにその好例。彼はブレイザーズに所属していた昨年2月にクリーブランド・キャバリアーズへトレードされると、その後もヒューストン・ロケッツ、インディアナ・ペイサーズと数日間のうちに3度トレードされ、最終的にペイサーズから解雇されるという経験を味わった。
 
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