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NBA

データが示すNBAとユーロリーグの“逆転現象”。欧州にアメリカ人選手が増加した一方で、NBAは国際色豊かに

小川由紀子

2020.10.19

ユーロリーグにアメリカ人選手が“逆輸入”している一方で、NBAではノビツキー(右)やドンチッチ(左)を筆頭に、欧州出身選手が増加している。(C)Getty Images

ユーロリーグにアメリカ人選手が“逆輸入”している一方で、NBAではノビツキー(右)やドンチッチ(左)を筆頭に、欧州出身選手が増加している。(C)Getty Images

 去る10月1日、ユーロリーグの新シーズンが開幕した。

 第1節のMVPは、キャリアハイの23得点に加え6アシストをマークし、評価指数32を叩き出したバスコニアのガード、ピエリア・ヘンリー。第2節のMVPはレッドスターのガード、ジョーダン・ロイド。いずれもアメリカ人選手だ。2人ともドラフトでは指名漏れだったが、ロイドは2018-19シーズンにトロント・ラプターズと2WAY契約を結び、一時NBAのコートにも立っていた。

 NBA経験がある、ないにかかわらず、近年、ユーロリーグでプレーするアメリカ人選手の数は着々と増加。数字の上でも、2000-01シーズンに新生ユーロリーグが始動してから昨季までの20年間で、ヨーロッパ人選手の数は減少し、代わりにアメリカ人選手の数は119%増加と、倍以上にアップしている。これはバスケットボールを専門とするリサーチャーのディミトリー・クルチッチ氏が、過去20年間に計85クラブでプレーした2581人の選手の国籍を調査した結果によるものだ。
 
 その2581人の内訳も、アメリカが27.9%、ギリシャは5.3%、セルビア6.2%、イタリアとスペインが6.4%。アメリカ人選手がもっとも多いが、リーグ全体に占める割合を見ても、2000-01シーズンは全体の14.6%だったのが、2019-20シーズンには31.9%と初めて3割を超えた。

 ちなみにポジション別で見ると、もっとも多いのがガード、続いてフォワード、センターの順だが、近年はセンターの需要が急上昇。これは、インサイドプレーに徹する古典的なセンターではなく、より動きの幅が広いビッグマンが求められる近年のプレースタイルを象徴している。

 人数の増加に伴い、コート上でアメリカ人選手が占めるプレータイムも劇的に増加。2001年には、コート上に立っているのはヨーロッパ人選手が全体の8割、アメリカ人が2割だったのが、昨年は約6:4と、約半数に迫る勢いだ。さらに2016-17シーズンからは、アメリカ人選手のプレータイムが、自国選手のそれを上回っている。
 
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