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NBA

「ユタで優勝したい」フランス最高年俸のアスリートとなったルディ・ゴベアが明かす、“第2の故郷”への感謝

小川由紀子

2020.12.25

スナイダーHCが就任した2年目のシーズンから先発に定着。以降6年間、互いの信頼関係は確固たるものとなっている。(C)Getty Images

スナイダーHCが就任した2年目のシーズンから先発に定着。以降6年間、互いの信頼関係は確固たるものとなっている。(C)Getty Images

 2016-17シーズンの開幕前には4年1億200万ドルの契約にサイン。24歳にしてフランスで最高クラスの高額アスリートとなった彼が真っ先にしたのは、女手ひとつで育ててくれた母親に家をプレゼントすることだった。

 プロ入り前からは考えられないほどの大金を手にした後も目標を見失わずにキャリアを歩んでこれたのは、スナイダーHCが「君の能力を信じている」と、常に信頼を示してくれていたからだとゴベアはことあるごとに話している。

 スナイダーHCいわく「彼はとにかく、取り組む姿勢が良い。自分が何をすべきかを意識しながらやっている」とゴベアの真摯な姿勢を評価しているが、彼の己への厳しさを物語るこんなエピソードがある。

 27得点、25リバウンドと大活躍を見せた、2017年1月20日のダラス・マーベリックス戦について聞かれた時のことだ。
 
「スタッツが良かったからといって出来が良い試合だとは限らない。例えばあの試合は、ハーフタイムの前にあと2点決められそうなチャンスがあったのに逃してしまい、そのことを本当に悔やんだ。だからあれは自分にとって満足した試合などではなかった」。25リバウンドは現在でも自己ベストの数字だが、彼にとってこの一戦の思い出は、そのミスした1本のシュートの苦い記憶でしかないのである。

 スナイダーHCは、ゴベアをこう評価する。

「彼の存在は、チームにアグレッシブさや闘争心をもたらしてくれる。彼の剥き出しの情熱が、チームのトーンを上げてくれるのだ。オフェンス面で彼が与えてくれるインパクトは大きい。ディフェンス面についてはこれ以上要求することはないくらい、あらゆる面で相手にプレッシャーを与えてくれているよ」

 指揮官の言葉通り、2017年に初のブロック王に輝いたのに加え、2018、19年には2年連続で最優秀守備選手賞に選ばれたゴベアは、いまやリーグきっての守護神だ。

 フランス代表でも、パーカーやボリス・ディーオウら黄金世代からバトンを引き継ぎ、オーランド・マジックのエバン・フォーニエらと現チームの中核を担っている。フランスが銅メダルを獲得した昨年のワールドカップでは、準々決勝でアメリカと対戦。21得点、16リバウンドのゴベアに対し、アメリカ最多の29得点をあげたのはドノバン・ミッチェル。ジャズのエース同士がしのぎを削ったこの一戦は、89-79でフランスに軍配が上がった。
 
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