■ヘッドコーチとの確執から移籍を強行し、問題児のレッテルを貼られる
大学での優勝は果たせないままアーリーエントリーを決め、1993年のドラフトでは1位でオーランド・マジックから指名を受ける。けれども、その前年にシャキール・オニールを獲得していたマジックは、ビッグマンは2人も必要ないと判断。3位指名のアンファニー“ペニー”ハーダウェイ+1位指名権3つとの交換で、ウェバーをゴールデンステイト・ウォリアーズへ放出した。
15年7400万ドルという破格の条件で契約したウェバーは、その金額に恥じない成績を収める。平均17.5点、9.1リバウンド、2.16ブロックで新人王を受賞。ヘッドコーチのドン・ネルソンも「彼の加入は、過去12年間で我がチームに起きた最高の出来事だ」と絶賛した。
ところが、この師弟関係は次第にこじれていく。
「コーチの俺の扱い方には納得がいかなかった。人前で俺を吊るしあげたりするのは、反発心を起こさせようとしていたんだろうけど、その方法は俺には合っていなかった」(ウェバー)
ネルソンは「私の下でプレーしたくないと思うほどまで怒っていた理由がわからない。なるべく彼を公平に扱ったつもりだったのに」と嘆いたが、ウェバーの頑なな態度は変わらず、ワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ)への移籍が決まった。
ネルソンとウェバー、どちらの言い分が正しいのかはわからない。しかしこの一件により、ウェバーは扱いづらい選手と見なされるようになる。『スポーツ・イラストレイテッド』が「NBAをイメージダウンさせている自己中心的な選手たち」を特集した際も、デリック・コールマンやラトレル・スプリーウェルらの問題児を差し置いて、ウェバーの名前が真っ先に挙げられた。
「自分が良い人間だということをわざわざ証明する必要はない。自分自身でありさえすれば、時間が経てば自然にわかってもらえるはずだ」
そうウェバーは語ったが、一旦染みついたイメージを払拭するのは難しかった。(後編に続く)
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2012年1月号掲載原稿に加筆・修正。
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大学での優勝は果たせないままアーリーエントリーを決め、1993年のドラフトでは1位でオーランド・マジックから指名を受ける。けれども、その前年にシャキール・オニールを獲得していたマジックは、ビッグマンは2人も必要ないと判断。3位指名のアンファニー“ペニー”ハーダウェイ+1位指名権3つとの交換で、ウェバーをゴールデンステイト・ウォリアーズへ放出した。
15年7400万ドルという破格の条件で契約したウェバーは、その金額に恥じない成績を収める。平均17.5点、9.1リバウンド、2.16ブロックで新人王を受賞。ヘッドコーチのドン・ネルソンも「彼の加入は、過去12年間で我がチームに起きた最高の出来事だ」と絶賛した。
ところが、この師弟関係は次第にこじれていく。
「コーチの俺の扱い方には納得がいかなかった。人前で俺を吊るしあげたりするのは、反発心を起こさせようとしていたんだろうけど、その方法は俺には合っていなかった」(ウェバー)
ネルソンは「私の下でプレーしたくないと思うほどまで怒っていた理由がわからない。なるべく彼を公平に扱ったつもりだったのに」と嘆いたが、ウェバーの頑なな態度は変わらず、ワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ)への移籍が決まった。
ネルソンとウェバー、どちらの言い分が正しいのかはわからない。しかしこの一件により、ウェバーは扱いづらい選手と見なされるようになる。『スポーツ・イラストレイテッド』が「NBAをイメージダウンさせている自己中心的な選手たち」を特集した際も、デリック・コールマンやラトレル・スプリーウェルらの問題児を差し置いて、ウェバーの名前が真っ先に挙げられた。
「自分が良い人間だということをわざわざ証明する必要はない。自分自身でありさえすれば、時間が経てば自然にわかってもらえるはずだ」
そうウェバーは語ったが、一旦染みついたイメージを払拭するのは難しかった。(後編に続く)
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2012年1月号掲載原稿に加筆・修正。
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