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東京五輪

カナダ、ギリシャ、トルコ…東京オリンピック最後の出場枠を掴むのは?【最終予選プレビュー|PART. 1】<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.06.22

 そのほか、八村塁も活躍した17年のU19世界選手権の優勝メンバーで、同大会のMVPにも選出された成長株のRJ・バレット(ニューヨーク・ニックス)や、今年のNCAAトーナメントでゴンザガ大の決勝進出に貢献した21歳のアンドリュー・ネンバードら、将来有望な若手もいる。地元で戦う彼らには、時差や移動の面でもアドバンテージがありそうだ。

 その両者に絡む中国は、国内リーグに多くのNBA選手が参入して全体的なレベルは向上。19年のワールドカップでも、スピード感やアジリティに長けた印象はあったが、ヤオ・ミン(元ヒューストン・ロケッツ)の引退後は、こうした短期間のトーナメントで勝ち切るのに欠かせないタリスマン的な存在がいない。2年前のワールドカップでも得点、リバウンドでチームハイを記録したイー・ジャンリャン(元ミルウォーキー・バックスほか)が今回も若いチームを牽引する。

■グループB
ウルグアイ(アメリカ大陸ワイルドカード枠)
チェコ(6位)
トルコ(22位)
※カッコ内は19年W杯における順位

 グループBで注目は、19年のワールドカップで素晴らしいチームプレーを見せ、6位という好成績を残したチェコだ。ローネン・グンスバーグHCが選んだのは、ほぼ19年と同じメンバーで、そこにヒザの負傷で前回のW杯を欠場した欧州屈指のビッグマン、ヤン・ヴェセリーが加わる。

 チームにガッツをもたらすパワーフォワードのパトリック・アウダは、昨シーズンはBリーグの横浜ビー・コルセアーズでプレーしていた。チームは6月8日からトレーニングキャンプを敢行中だが、カナダでは、エースのトーマス・サトランスキー(シカゴ・ブルズ)も合流することになっている。
 
 しかし彼らが対戦するトルコとウルグアイは、いずれもトリッキーな相手だ。トルコは19年のW杯では22位と期待外れに終わったが、アメリカとは、オーバータイムの末1点差の惜敗という互角の勝負を演じるなど、順位が示す以上の力がある。

 フルカン・コルクマズ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、シェディ・オスマン(クリーブランド・キャバリアーズ)、そして大黒柱のアーサン・イリャソワ(ユタ・ジャズ)らNBA組も参戦。そこにトルコ国籍を取得したシェーン・ラーキンも加わった。22年の欧州選手権予選でさっそくチームハイの15得点、7アシストと司令塔ぶりを発揮している28歳の加入によって、トルコの戦力は確実にアップしている。

 そしてアメリカ大陸でアメリカ、アルゼンチン、ブラジルらのトップグループに続く中堅集団に位置するウルグアイは、欧州勢にとって馴染みのない相手。今回のロースターには、国際トーナメントに強いアルバ・ベルリン所属のガード、ジェイソン・グランジャーや、05年から2年間アトランタ・ホークスでプレーした、同国初のNBA選手エステバン・バティスタらベテラン格が名を連ねている。

 開催地のビクトリアとの時差が少ないという地理的な利点に加え、中1日のオフがある試合スケジュールの恩恵が彼らのパフォーマンスにどう作用するか。

 この会場の勝者は五輪でアメリカ、フランス、イランが同居するグループAに加わる。(PART.2に続く)

文●小川由紀子
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